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「ここが鶴岡八幡宮のちょうど真裏に当たるんだ。真っ直ぐ海に向かう太い道が見えるだろ、あれが若宮大路。まあ帰りはもう少し右側の賑やかな通りを通るけれどさ」
海から太い道が、真っ直ぐこっちに向かって伸びている。
「お弁当はここで食べるのか?」
「あと30分くらい先、大平山で食べようかと思っている。正確には天園の広場が目標かな」
そんな感じでまた出発。
弘法大師像が岩の上にあったり、岩を掘った穴蔵の中にお地蔵さんがいたり。
この道は今でこそハイキングルート。
でも実は、もっと古い時代は実用的な道だったのだろうか。
そんな事を考えながら歩いていたら、ロープがある場所が出た。
このロープを使って、岩の上を一気に登るらしい。
「こういう場所も慣れると楽しいのだ」
「階段よりはこっちの方が楽しいよね」
1年女子2人も、楽々という感じで登る。
彩香さんも4月頃に比べると、だいぶたくましくなったよな。
そんな事を思いながら、隊列の最後尾を歩く。
この辺から、道の様相がまた変わってきた。
「何か本格的な山道なのだ」
「確かに登山って感じだよね」
割と起伏が激しくなる。
でも、そこまで高かったり低かったりは無いから、逆に楽しい。
更に今度は平坦になった。
色々変化がある道だ。
そして道は林の先、開けた場所に出た。
岩場が主なせいか、ここは木々が生えていない。
ちょっと歩くと、金網に『大平山』と書かれている。
「ここが山頂か」
「ちょっと味気ないね」
僕の気持ちを、彩香さんが代弁してくれた。
「お弁当を食べるのは、この先すぐだ。ここよりはいい場所だぞ」
先輩がそう言うので止まらずに歩く。
左にゴルフ場の駐車場が見えて、少し興ざめ。
まあこの辺は街に近いから、山奥まで開けているのはしょうが無いけれど。
そして先輩の言う通り、ほんの少し歩いたら、それっぽい広場に出た。
「ここが天園の広場、無事到着!」
そこそこ広い開けた草地と岩の広場だ。
既に先着のハイカーが何人か休んでいる。
展望も悪くない。
鎌倉市街地から海まで見える。
場所を見繕って、レジャーシート2枚を広げてお昼御飯の準備。
チキンと茹で卵を、1人1個ずつ配布。
そして彩香さんがおにぎりを出してくれた。
アルミホイルで包んだ4個ずつの三角おにぎり。
「こっちがおかかで、こっちが昆布の佃煮」
「いいセレクトなのだ。私は梅干しが苦手なのだ」
「実は僕もだ」
あの酸っぱさは、どうも好きになれない。
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