「はい、なんですか?」
みっちゃんのお母さんに呼ばれ、俺はお店の一階に降りた。
「向井くん聞いた?あの子から。」
「え?何をですか?」
すると、お母さんは顔をしかめた。
「あのね、この前おばあちゃんが入院したの。」
「それで向井くんに手伝って欲しくてね…」
おばあちゃんは、みっちゃんのおばあちゃんで、俺によく無料でお菓子を作ってくれていた。
「いいですよ!子どもの頃よく手伝ってましたからね!」
「…ありがとう。できる範囲でいいから、よろしくね。」
と、俺の肩をポンッと叩き、お母さんは番台の椅子に座った。
「何だった?」
型の古いテレビと睨めっこしながら、いつ放送したかもわからない刑事ドラマを見ていたみっちゃんが、俺が2階に戻るなりに聞いてきた。
「なんかおばあちゃん入院したんやろ?その間俺が手伝って欲しいって。」
「あー、それか。ありがとうねー」
「いや、俺今何も…」
「こーちゃんならオッケーしてくれると思った。できる範囲でいいから、よろしく!」
「お母さんと同じこと言いよるで笑」
そして、俺とみっちゃんは夕方まで刑事ドラマを一緒に見ていた。
「いくつになっても仲良しね…」
コメント
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やっぱ康二は優しいな、、、優しすぎて泣きそう(なんで?) 続きもめっちゃ楽しみにしてる!!♡