血相を変えてヴィラドさんに駆け寄ったわたしは、うずくまった彼のもとに膝をついて、彼の肩にそっと片手を触れた。
こうしているあいだにも彼の咳は止まらなくて、そうして、必死に口もとを押さえている彼の右手薬指にはめられた指輪印章が、力を発動していないにも関わらずうっすらと銀の光を放っていることに気づく。
――あれ、どうして指輪印章が光って――……?
もしかして、印章の力がなんらかに作用して、彼の体を蝕んでいるんだろうか……?
そう予感しながら、印章の力ならばわたしの印章の力で抑えられるかもしれないと思って、わたしはその場で深呼吸をする。
印章の治癒の力……使うのはひさしぶりな気がする。
それだけここ最近はだれも怪我をすることなく平和だったということなんだろう。
できれば、だれかの傷を癒すこの力を使うことが少ないといいな――なんて頭の隅で思いながら、わたしは彼の指輪印章を包み込むよう******************
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