💙「あれれ、おかしいな……」
ととと、と。
隣りを歩く翔太の身体がグラついてきたので、慌てて体重を支えた。羽根のように軽い。
❤️「なに、また食べてないの。しかも熱ない?」
💙「ないない、何もない」
嘘つきなさんな、と言って、おでこを合わせたら、やっぱり熱い。
❤️「忙しくなるとすぐにこうなんだから」
言い、家へと連れ帰った。
💙「なんで涼太んち…」
❤️「翔太の家、何もないでしょ。キッチン用品も足らなすぎ。治るまで帰さない」
💙「サウナぁ…」
❤️「治ったらね」
しばらくぶつぶつ文句を言っていたけど、ベッドに寝かせたら、大人しくなった。
ここのところ、撮影、リハ、打ち合わせ、そして極め付けは低気圧。ありとあらゆる環境が翔太の身体にダメージを蓄積させていたらしい。
しかも、体調が悪いとめっきり食べなくなるのは昔から。サプリと青汁とかで済ませてしまうから放って置けない。
❤️「熱測るよー」
💙「……んっ……」
苦しそうに喘ぐ翔太に欲情している場合ではない。測っている間に、アイスノンと腋に挟む保冷剤を準備した。
❤️「38度か。何なら食べられる?」
💙「いらない」
潤んだ目でこっちを見るけど、アイスくらいなら食べられるかと、近所のコンビニに出掛けることにした。
❤️「チョコ?イチゴ?バニラ?」
💙「……いちご」
くすり、と笑って家を出た。
看病の甲斐あって、熱は夜中をピークに38度後半まで上がったものの、翌朝にはすっかり落ち着いていた。
💙「あのさ」
隣りに寝そべって、頭を撫でていると、翔太がぼんやりした顔で話し始めた。
💙「昨日からなんか、見覚えあるなーと思ってたんだよこのシチュエーション」
❤️「そうだっけ?」
💙「俺も、熱と痛みでそれどこじゃなかったからさ、子供の頃のことだし、あんまり覚えてないんだけど」
❤️「あ…」
思い出した。
おたふく風邪になって泣いている翔太のそばにずっとついてて、見兼ねた親たちにやっと引き剥がされて、次の日に自分もおたふく風邪になったこと。
❤️「すっかり忘れてた」
翔太の俺を見る目がいつになく優しくて、なんだか別の意味でどぎまぎした。
💙「変わんねぇな、お前は」
❤️「変わらない。ずっと」
翔太の柔らかい髪を撫でながら、変わるもんか、と俺は思った。
おわり。
コメント
14件
可愛いー🥹💓 ゆり組尊いです😳❤️💙 まきぴよさんのしょっぴーて本当にしょっぴー🥹(伝われ)
小さい頃の話、すごくかわいくて😍😍