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この世界に神様なんていないんだ。
どんなに努力したって誰も見てくれない。
なのに…なのに…あいつらは…
私をいじめるあいつらは…
なんで笑顔でいられるの?
頑張っているのが馬鹿みたい。
お願い…私の願いよ誰かに届いて…
「しー、早く帰るよ?」
お姉ちゃんの声がする。
私の名前は紫音。若松小学校の四年生だ。
お姉ちゃんの名前はひとみ。双子の姉だ。
「どうしたの?大丈夫?」
「大丈夫!ごめん、算数の宿題やるの忘れてて残らないといけないの」
…嘘だ。また、お姉ちゃんに嘘つくのか…。
「手伝おうか?」
お姉ちゃんは優しく声をかけてくれた。
「ううん、大丈夫。私一人で大丈夫だよ 」
「わかった。先帰っとくね」
「また後で」
「はいよ」
…出来の悪い妹でごめんなさい。
「そろそろ…行かなくちゃ 」
今は、使われていない教科室に向かう。
「遅かったな」
「ごめんなさい…」
「ごめんなさいじゃないわよ。 この役立たず」
ペチン、ドカッ
「まだ、バレてないよな」
「バレて…ないと思います」
私は、怯えながら答える。バレてないよなといった男の子の名前は昇太。かなり荒れていて、授業中にいなくなってしまう時がある。
「バレてたら承知しないわよ」
「わ、わかってますから…」
私は、急いで答える。
「あんたのわかってるは信用性がないわね」
そういったのは真里亜。いわゆる、クラスの中心で、とても明るい。
ー一方で嫌いなやつの陰口をその仲間とともに話していることが多い。
「おい、一発殴らせろ」
昇太が言い出す。痛いし、嫌だけど…
私が耐えなきゃ…ひとみが…
「いいならいいって答えろよ! 」
「早くしなさいよ!」
・・・こうなったら止められない。
「ほんとは、顔とか行きたいけどな…
顔は、すぐバレるし…」
私の腕は、あざだらけだ。そのため長袖を着てこいと言われる。
…バレないように
「お前のせいでおもちゃが消えたからな。
その責任はしっかり取ってもらうぞ」
…おもちゃ?あぁ、あのこのことか…
今は元気にしてるのかな?今の私みたいじゃなかったらいいけど…
「せっかくいいサンドバッグだったのによ」
ドカッ 昇太は私の肩を殴る。
「うっ…」
「なんで邪魔するんだよ?あ?」
ドカッ
昇太は連続して私を殴りつける。
「全く良いご身分なことで」
ドカッ
「さっさと死んじまえよ」
「…」
私は、昇太を睨む。
「早苗は関係ないでしょ」
「は?まだお前抵抗するのか?」
「昇太、さっさとまた、アレしちゃいなよ」
真里亜がそういった。
「そうだな」
「これ以上抵抗するなら、お前の姉貴がどうなっても知らないぞ」
なんて、卑怯なんだろう。ひとみは何も関係ないのに。本当は助けてもらいたい。
…だけど、だけど、これ以上悪化させたくない。
「お姉ちゃんには手を出さないで!」
「おいおい口の聞き方がなってないな」
昇太は私を嘲笑うように言う。
「あはは!やっぱりお姉ちゃん大事なんでちゅね」
真里亜も続けて馬鹿にする。
「お姉ちゃんには、手を出さないでください」
…悔しい、悔しいよ。なんでこんなことしなきゃいけないの?こうなったら、次言うことはだいたい予想できる。
「土下座しながら頼めよ。俺たちからおもちゃを取ったごほうびだ。うれしいだろう」
…誰が嬉しいもんか。あんたなんか大嫌いだ!
でも、お姉ちゃんだけは守らないと。
私は、直ぐに土下座をする。
「お姉ちゃんには、手 を出さないでください」
「どうするもこうするも、お前のこのあとの行動だな。」
「…わかりました」
「もういいや。今日のところはここまでにしてやる」
「変な抵抗しないでね、いろいろめんどくさいから」
二人は、教室から出ていった。
「なんだよ、なんなんだよ」
こらえてた涙が溢れる。肩や、お腹、胸、腕が痛い。怖い、痛い、つらい、苦しい
「うっ…、うっうっ」
私は一人で泣いていた。あれから10分がたった。
「そろそろ帰ろう」
私は顔を洗ってから家に帰った。
「ただいま」
「おかえり、お母さん今日遅くなるって」
「そっか、晩御飯どうする? 」
「今日は私が作るよ」
家に帰った私は、ひとみと話している。
「ありがとう」
ひとみは、心配そうに
「宿題は大丈夫なの?」
と聞いてきた。…嘘なのにごめんね。
「全然大丈夫だよ。次はしっかりやってこいだって。」
「わからなかったらしっかり聞いてよ」
この優しさに救われたのだろう。
勉強できない、運動もできないそんな私を守ってくれたひとみは、私のとっても大事な人。
絶対にあいつらには触れさせない。
ひとみを傷つけたくない。近づけたくもない。
私が耐えれば良いんだ。そう、あいつらの気が済むまで…
でも怖いよ。やることやることが空回りするんだもん。
「スイートポテトあるよ」
ひとみご用意してくれていたらしい。
「食べたい!ありがとう 」
大丈夫だよ、きっと…私が壁になるから。
ひとみだけが私の希望だ。
耐えきって見せる。絶対に!
早苗を庇って守ったあの頃のように…