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ありんす
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ねこなさま🐈⬛💘
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す㍄
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◆
城に戻ったセレーネは、石造りの部屋に閉じ込められた。重厚な扉が閉まり、湿った空気が肌にまとわりつく。
やがて、扉が軋む音を立てて開き、オクタスが入ってきた。
「姫様、お疲れの中すみません。少しお話をさせていただきます」
「話をする場ではありませんがね」
様々な器具が並ぶこの場所は、その昔拷問が行われていたと言われている。
勿論今は閉鎖されていると聞いていたが、血の付着した器具を見る限り今も使われている可能性が高い。
「このような場所に連れてこられても、わたくしはあなたと婚約なんてしませんよ」
「その話もあるのですが、先に別でお聞きしたいことがあるのです。王家の秘宝……本当にご存じない?」
「ええ、あれを管理していたのは父と母。我が両親がどうなったか、ご存知でしょう」
「病で伏せられたマンタイン王が、あなたに何も伝えないとは考えられないのですよ。代々あれは王家に引き継がれるもの、つまりあれも私の物になるのですよ」
「…………」
「姫様、早めにお答え下さい。私はまだあなたに情がありますので、この程度しかしませんが」
この程度と言いながら、オクタスは彼女のドレスの胸元を掴み、力強く引き破る。
「キャァッ!!」
白いブラに包まれた大きな胸が露出し、羞恥から悲鳴を上げてしまう。
禿頭の騎士は下卑た笑みを浮かべる。
「ここではどれだけ叫ぼうと誰も来ませんよ」
「ケダモノめ」
涙の滲む瞳で睨みつけられ、オクタスは強い高揚感を得る。
並の男が、どれだけ手を伸ばそうと届かない高貴な姫が自分のものになる。この若く美しき汚れのない体に、自分を刻みつけることができるのだ。
強い独占欲が満たされ、口端からは涎が零れる。
「純潔を失う前に、白状されたほうがよろしいぞ」
目を血走らせ、ブラに手をかけるとそれも引きちぎろうとする。
しかし、オクタスはあることに気づく。いつも彼女が身につけている青のペンダントがなくなっているのだ。
「……姫様、ペンダントはどこにやりました?」
セレーネは、珍しく罠にかかった獣を見るような悪い笑みを浮かべる。
「………さぁ、今日泳いでいたので落としたのかもしれません」
その言葉で、オクタスは王家の秘宝の在処を察する。
「貴様、リガルドに秘宝を渡したのか!?」
「あなたのものになるくらいなら、王としての資格があるものに渡しました」
「この売国奴め!」
「あなたにだけは言われたくありません」
「なめた真似を!」
オクタスは怒りに任せてセレーネを殴り倒し、その体を何度も蹴りつける。
「ハァハァハァハァハァ、クソっこんなことしている場合ではない。バカ王子が国を出たら回収できん!」
オクタスはすぐに、ヴェノムタランチュラの人間を呼びつける。
影のように現れたマント姿の男に指示を飛ばす。
「王家の秘宝は王子が持っている。奴にペンダントを持って、今すぐポセイドン城に来い、さもなければセレーネは女としての尊厳を失い死ぬことになるだろうと伝えろ」
「……奴らはまだ、自国の船にいる。我らが殺して盗んできてやろうか?」
「馬鹿者、王子がペンダントを海に捨てたら海流に流されて終わりだぞ! 絶対に持ってこさせろ!」
◇
港に停泊するレッドシャーク号に乗り込み、アクアレムを出るかどうか俺は迷っていた。
俺がこの国を出れば、次にセレーネと生きて会えるかどうかわからない。そんな不安感から、船を出港させることができずにいた。
甲板の上で、夜の海を眺めながら深い溜め息をつく。
「このままでいいのか……」
死ぬとわかっていて、彼女を残すのか。考えたくはないが、オクタスが性的なあれやこれやをセレーネにする可能性も高い。だってこの世界エロゲだから。
彼女はそうなったら自害すると言っていたが、催眠魔法が実際にある世界だ、そうさせない方法なんていくらでもある。後日、虚ろな目をしたセレーネがオクタスと結婚するとか言い出したら、俺のメンタルが崩壊する。
「俺もヒロインを脅迫するNTRキャラだったはずなのに」
どうしてこうなったのか。なんでNTRを防ぐNTRキャラ化してるんだ。
その時だった、不意に背中に気配を感じて振り返る。
「誰だ!」
聖剣を抜いて構えるも、誰の姿もない。しかし、そこには先程まで何もなかったはずなのに、手紙が置かれていた。
手紙を開くと、オクタスがセレーネの命と引き換えにペンダントを持って城へ来るよう要求している文が書かれていた。
「皆!!」
俺は船に乗る全員を集めて、この手紙を見せる。
「さっきまで余裕顔だったタコ騎士が、慌てて手紙送ってくるってことは、そのペンダント相当やばいもんじゃねーか?」
ジャガーの言う通り、恐らくオクタスにとってこれを持って国を出られると相当まずい物と見た。
俺はセレーネから渡された、青い宝石のペンダントを皆に見せる。
「貸してみろ」
魔法に詳しいソニアがペンダントを調べると、これが重要なマジックアイテムだということに気づく。
「この宝石に厳重な封印処理が施されている。恐らくこの中にアクアレムの重要な魔導器が封印されているだろう。セレーネはオクタスに奪われることを恐れ、お前に託したのだ」
ジャガーは憤りを隠さずに言った。
「100%罠だ、絶対に行くな。あのタコにペンダントを返してもセレーネは殺されるし、お前もつかまる可能性が高い」
ソニアもまた、冷静ながらも強い口調で言う。
「そのペンダントをオクタスに渡せば、セレーネの思いが全て無駄になる。これは奴が王になるために必要なものだろう」
俺にだってわかっている、彼女がこれを託した意味を。
自分はどうなってもいいから、秘宝だけは守り抜いてほしい。
彼女のためを思うなら、このペンダントを持ってリガルドへと帰国し、厳重に保管する。それが最善。
「……余は行く」
短く、しかし強く宣言すると、ジャガーは眉をひそめ大きく首をふる。
「本気か? わざわざペンダントを届けに行くことになるかもしれないんだぞ」
「ああ、だが余は行く。セレーネは今日が人生で一番楽しいと言って微笑んだ。あの儚き笑みを奪うことは、誰であろうと許されぬ」
そう言うと、ジャガーとソニアはため息を付く。
「はぁ……まぁしょうがねぇ、行くか」
「そなたもセレーネも美しき覚悟の持ち主だ。今回の主役の座は譲り、脇役をやってやろう」
「お前ら」
「協力してやるって言ってんだよ」
「オクタス、奴は美しくない」
俺は二人にすまないと感謝する。
「でもよ、あたしらだけで行く気か? 自殺行為だぞ」
ヨハンナの言葉はもっともだが、やりようはいくらでもある。
「そこは悪役らしく行くさ」
俺は救出作戦に独自の策を実行した。
船を降りてオーベルの街に戻った俺達は、走りながら大声を張り上げる。
「ラウル王子が、セレーネ王女に振られた腹いせに誘拐に向かうらしいぞ!」
「騎士の中にリガルドへの裏切り者がいるらしい! オクタスって騎士がやばいらしい!」
「私達で姫様を守らないと、リガルドにとられるぞ!」
俺達はこの言葉を、港や市場など人の多いところで繰り返し吹聴して回った。
すると効果はすぐに表れ、王女を慕うアクアレムの住民たちは怒りに震えながら城へと押し寄せた。
「な、なんだお前たちは!?」
松明片手にゴンドラに乗って次々にやってくる住民たちに、騎士たちは困惑する。
住民は騎士たちにつめよって、口々に叫ぶ。
「姫様がリガルドのバカ王子に誘拐されちまう!」
「姫様を安全な場所に逃がして!」
「いや、お前ら騎士の中にもスパイがいるらしいから、お前らも信用できない!」
「そうだそうだ! 姫様の安否を確認させろ! 姫様は今どこだ!?」
最後に住民を煽ったのはソニアである。彼女には住民が冷静にならないように、ひたすら煽り続けてもらうことにしている。
ガセ情報に踊らされた住民と、城の騎士たちが衝突し、城門前は混乱の渦に包まれた。
その結果、城の守りは一気に機能しなくなった。
「まぁセレーネがピンチなのは間違いないから、あながち全部嘘でもないがな」
ローブを被った俺は、悠々と城門を抜けて城へと侵入を果たす。
コメント
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いやあ、今回も熱かったですね! 第49話、ついにセレーネ姫がオクタスに囚われてピンチに。でも彼女がペンダントをリガルドに託した見事な切り返しには痺れました。「あなたのものになるくらいなら」ってセリフ、かっこよすぎる。 リガルドがNTRキャラからまさかのヒーロー化してる流れも面白い。住民を煽って混乱に乗じる作戦、悪役らしくて好きです。あの手紙が届いた瞬間の「俺も行く」宣言、読んでて胸が熱くなりました。次回、どうやってセレーネを救い出すのか楽しみです!