その数日後俺はとある男を呼んだ。
「お疲れ〜どうしたんだよ急に呼び出して」
「まぁ座れよ」
この男の正体は佳奈の本命そして俺の中学の時の同級生、貴志だ。
「久しぶりじゃんか翔!一昨年の成人式以来か? 」
「そうだな。」
「んで呼び出した理由はなんだよ」
「お前さ今付き合ってる人いるのか?」
「なんだよ珍しいなお前が恋愛話に興味あるとか」
「まぁな」
「彼女居るのは居るけど何でだ?」
俺は佳奈から送ってもらった写真を見せた。
「こいつか?」
「いや違うそいつはこの前抱いた奴」
「じゃあお前の彼女は佳奈って名前の女か?」
「そうだけど何でお前知ってるんだ?」
「そうかお前の彼女とこの女同じ職場って知っるのか?」
「えっ!?知るわけないだろ。知ってたらこんな事しないって」
「ならもうこの女と連絡してないのか?」
「あぁあの時はあまりにもしつこかったから抱いただけだし、その後もしつこいから連絡してないな」
「この写真佳奈から貰ったんだ」
すると貴志の顔が青ざめた。
「マジか〜でもあいつも色んな男いるから俺も1回ぐらいいいかと思ったんだけど面倒臭いな」
「まぁでもホントの事言って少しの間だけ佳奈さんの事だけを見ててやれないか?」
「少しの間ってどういうこと?」
俺は今の会社で起きていることを話した。
「マジか!お前の会社やべーな。」と
貴志は笑った。
「あいつらさえ辞めさせればその後は好きにしたらいい。だって佳奈さんも浮気しているからしょうがないからな」
「まぁお前の頼みだ!わかったよ」
「ありがとな」
「にしてもなんでお前はその麻衣子ちゃんだっけ?その子の為にそこまでするなんて、もしかして好きなのか?」
「自分でも分からないんだ。なぜここまでやっているのか」
「多分お前はその子の事が好きなんだよ」
俺はその時このモヤモヤする気持ちが何なのかを少し理解した。
「これが人を好きになるって気持ちなのか?」
「そうかもな」と貴志は笑った。
俺はその帰り際に
(世の中はほんと狭いな〜まさか写真の男が貴志だったとは)と思うのと同時に
「俺は麻衣子ちゃんが好きなのか?」と呟きながらタバコを吸った。
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