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人によってはグロい
「……あ」
お姉ちゃんは、病院のベッドで目を覚ました。
窓の外は、嫌になるほど晴れ渡った青空。紫色の霧なんてどこにもない。
「夢奈の姉さん、気がつきましたか? 大変でしたね、ガス漏れ事故で……。妹さんと、そのお友達三人は、残念ながら即死でしたよ」
淡々と語る医者の声。
心中なんて、美しいもんじゃなかった。
星空区が消えるような、ドラマチックな終末もなかった。
ただの不注意な事故。彼女たちは、何の意味もなく、ただの間抜けな死に方をしただけ。
「……あたしは〜! 夢奈と一緒に、幸せになるんだよ〜!」
るびるびのあの声が、頭の中で反響する。
でも、現実のるびあは、そんなこと一言も言わずに、ただ無様に、ガスの匂いの中で冷たくなっていただけ。
あいかも宙も、お互いを愛し合う間もなく、ただの物言わぬ肉塊として処理された。
お姉ちゃんが大切に握りしめていた「銀の輪」は、ただのゴミとして処分されていた。
彼女が必死に守ろうとした記憶も、涙も、すべては脳が見せた一時の「夢」に過ぎなかった。
「……あは、は」
お姉ちゃんは笑う。
美しくも、残酷でもない。
ただ、すべてが無意味だったという事実に、乾いた笑いが止まらない。
彼女たちの死には、何の物語もなかった。
残されたお姉ちゃんにも、背負うべき「業」すら与えられなかった。
ただ、独り。
何もない真っ白な部屋で、彼女は一生、価値のない余生を浪費し続ける。
「……お疲れ様でした。はい、おしまい」
どこからか聞こえた声と共に、お姉ちゃんの意識も、世界も、真っ暗な虚無に吸い込まれて消えた。
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