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「そういえば…皆はどうして拠点を作ったの?」
ふと気になって、私は凸さんとうたいさんとしぇいどさんに聞く。
「俺とうたちゃんとしぇいどさんは幼馴染みたいな感じで、その、元いた場所に住めなくなったから拠点を作った感じかな」
「へー…あれべるさんは?」
「べるちゃんは野宿しながら旅をしてたみたいで、ある日ここに辿り着いたから、その流れで住み始めた感じかな。」
へー…って野宿!?
「この世界って外にあんまり居続けられないよね?猛吹雪とか、魔獣がいて…」
「べるちゃんは廃墟とか点々としてたらしいよ、あと強いし、ここに来るまでは魔獣を狩ってたって。」
べるさんって意外と強かったんだ…
「…でもべるさんって頑なに昔のこと話してくれませんよね。」
「僕たちが聞いても誤魔化してたよね。」
…もしかしたらべるさんには、私達には到底話せないようなことがあったのかもしれない…
「まあ、しつこく聞くのもべるちゃんに悪いし、この話は終わりにしよう。」
「はーい」
寒い、寒い
一人ぼっちって、こんなに辛いんだ…
………私はある大拠点で産まれた。
そこでは奴隷のような生活を受けていた。
成長した私はその大拠点を壊滅させた。その後は最低なことをしてる大拠点を何個か潰して、私は今廃墟の隅で震えてた。
私、何がしたかったんだろ…復讐?私はこれから何がしたい?
「…あなたは?」
体が一瞬震えて、私は顔を上げる。
そこには熊の耳が生えた人がいた。
「僕の名前はあふぇりる、あなたは?」
「………べる」
「………なんでこんなところにいるんですか?」
「………………ふく、しゅうしたの」
「……………」
「でもこれからどうすればいいかわからない、何も教えられなかったから。」
次の瞬間、私はあふぇさんに抱きしめられてた。
「………、」
「ベるさんは頑張りましたね…偉いですよ。」
偉い?何が?
「………僕はベるさんの苦しみを知りません、けど相当頑張ってきたんですよね?」
「ぁ…ぁ…」
私はあふぇさんの胸元に顔を埋めて、声を上げて泣いた。
「………これから僕の大拠点行きます?と言いたいところなんですが…」
あふぇさんは申し訳なさそうな顔をしてた。
「…大拠点では息苦しくなってしまうかもしれない、だから僕の知り合いの小拠点に行ったほうが、ベるさんの為だと思います。」
「………うん」
私はあふぇさんと一緒に小拠点に向かった。
しばらく歩いてると、拠点らしき建物が見えてきた。
「………あふぇさん、ありがとう。」
「………こちらこそ、また、会えたらいいですね。」
「…うん、またね。」
「…………………」
窓を見る。
今日は珍しく吹雪が弱い。それでも遠くまで一面真っ白だ。
「………そっか、もうそんな時期か。」
12月、それは魔獣達が食料を求めて暴れだす時期。
「………また、生きて会えたらいいね。」
この世界は、何もかもが命がけだ。