太陽そのものな君は、いつでも俺の味方になってくれていた。
じゃあ、今は?
今は、味方になってくれるのか?
「天乃」
「らだぁっ…らだぁぁ…」
生徒が見ているのにも関わらず泣きながら抱き付いてくるのもこいつらしい。
酷いことをしたのにも関わらず…
「…ごめん 」
「何で謝るんですか、先生」
「怖かったよな」
「…俺は怖くなかったけどな、猿」
いつも通りの猿呼びで少し安心しつつ、天乃を剥がそうとする。だがボンドでくっつけたのかレベルで離れない。
「あまの…離れて…?」
「やだ!らだぁと一緒にいるんだっ…」
「変わんないな」
「ぇ…?」
「俺が居ないとなんもできないところ」
「っ!できるもん…」
「あ、離れた」
こいつの心理はもうわかってる。
寂しくなるとくっつき、嬉しくなってもくっつき、すぐむきになる。
「…あ?なんか揺れてる…?」
「地震!!??みんな、隠れろっ!!」
「刑事声大きいっす!!!!」
「お前もな」
「てか、なんか歪んで…、」
目の前がぐらぐらする、歪む。
みんなの顔が見えにくくなる。みんなの顔がどんどんと溶けていく。
声も、聞こえなく…
そうして、 “ 画面 “ はまっくらになった。
__そのとき、先生は言いました。
「 “ 俺みたいなやつが、希望そのものになんて成れるわけないだろう? “ 」
「 “ どうやったら、君のような存在に “ 」
「 “ だけれど俺は、君が大好きだ。だって君は…俺の親友だから “ 」
今日は授業参観。沢山の親、家族…兄。
あの悪夢のようだった夢。鬼になってしまった俺が…。
道徳のお話は基本、先生が読むか生徒が丸読みで読むか。今回は先生の俺が読んでいた。
「じゃあ、この主人公はどうやったら親友のようになれると思う?」
「はーい!」
「希」
「親友の真似をする!」
「確かに、親友のようになるなら真似をしたらなれるかもしれないな…他はあるか?」
「はい!」
「呂戊太」
「真似もいいと思う、けど…一緒にいるだけでいいと思います」
「何でだ?」
「だって、一緒にいるうちに…きっと主人公は親友同士だから、その親友が主人公を照らしてくれると思う…」
「…いい考えだな」
親たちもざわざわと、生徒たちの考えのことを話している。
そのなか、あいつが声をあげた。
「ろぼたー!いいぞぉっ!」
「兄さん…!静かにして…?」
「らだぁもっと褒めろよ!!」
「…うるさいですよ?」
「…む…」
他人のフリ、まあ他人ではないけど…
「兄さん…恥ずかしかったよ」
「いいじゃん!ろぼた良かったんだもん」
「天乃」
「!らだぁ!」
「…今度、飯行こう」
「お、いいじゃん~~!!珍しいねらだぁ!自分から誘うなんて(笑)」
「たまにはいいかな って… だって、 」
親友だからな
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天才