コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ご飯を食べ終わって、独華と約束した通り、昨日出逢った所に座って待ってたんね。
「伊華、お待たせ」
昨日とは打って変わって暖かいけど、強い風が満開の桜を散らしてるのを眺めてたら、頭上から独華の声が聞こえたんね。
「っ!独華!全然待ってないんね、ちょうど今来たとこなんね」
嬉しくて、ついつい口元が緩んだんね。
優しく微笑んでから独華は、一回深呼吸してから口を開いたんね。
「あのな、昨日、 伊華の姉さんの王華さんの事を、俺の兄貴に聞いてみたんだ」
「それでさ、生きてるって、元気にしてるって聞いたんだ」
その声は、おおらかだけど、ちょっと緊張してるようにも見えたんね。
「ほんと、なんね?」
嬉しさと驚きが混ざって、その一言しか言えなかったんね。
「でさ、明日、京都の先斗町に来るんだって」
「ほんと?!io、姉さんに会いたいんね。でも、 姉さんはきっと、ioのこと嫌いだから、今まで音沙汰なしだったんね」
さっきまでの嬉しさと驚きが混じった声ではなく、悲しみと自虐が混じった苦しそうな声になっているのが自分でも分かるぐらいに苦しくなったんね。
暫くの沈黙の後、独華が、強くて、優しくて、頼もしい眼差しで話し始めたんね。