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脳髄まで痺れるような快感に、俺はただ喘ぐことしかできない。
「…お前、ほんとに甘いな」
そう言って胸の突起を吸われると、頭がおかしくなりそうなほど気持ちがいい。
もう何も考えられなくて、ただ与えられる快楽に溺れてしまう。
理性はとっくにどこかへ飛んでいってしまっていた。
そんな俺の様子を見ながら、烏羽主任はどこか満足そうな笑みを浮かべた。
その表情は、俺を完全に手中に収めた支配者のような笑みに見えた。
そしてそのままゆっくりと身体を起こすと、今度は俺のシャツを全て剥ぎ取り
自身も上の服を脱ぎ始める。
その動作一つ一つが優雅で美しく見えて、つい見惚れてしまう。
烏羽主任の裸を見るのは初めてで
鍛えられた肉体は、俺の想像以上に美しく
目を奪われずにはいられなかった。
「どうかしたか」
俺の視線に気づいていたのか、不意に声を掛けられてどきりとする。
顔が熱くなるのを感じた。
こんな状況で、何を言えばいいのかわからない。
「あ、あの……」
「なんだ」
「いえ……その……かっこいいなと思って」
素直に思ったことを口にすれば
一瞬驚いたような表情を見せたあと、すぐにいつもの冷静な表情に戻った。
しかし次の瞬間には、また先ほどのようにぐいと腰を引き寄せられて身体が密着する。
素肌と素肌が触れ合い
互いの体温を直接感じることで、心臓が高鳴った。
熱が、肌を通して直接伝わってくる。
そのまま抱きしめられると、肌を通してお互いの鼓動まで伝わってくるような感覚に陥る。
ドク、ドク、と、二つの心臓の音が重なり合う。
その感触だけでもうどうにかなりそうなのに、不意に唇を塞がれたかと思うと
彼の舌が滑り込み、俺の口内を蹂躏される。
「んっ……ふ……んむ……」
その間も腰の辺りを撫で回され続けていて、俺は必死に息継ぎをした。
肺が、苦しいほど酸素を求める。
長い口づけから解放されれば、すでに身体は火照っていて思考回路も鈍っていた。
何も考えられない。
ただ、彼のされるがままになることしかできない。
主任は今度は俺のベルトに手をかけ、カチャカチャと音を立てながら外していく。
そしてそのまま下着ごと膝の辺りまで下ろされた。
冷たい空気が、肌に触れる。
「もう勃ってるな」
まるで羞恥を煽るような言葉を囁かれ、一気に顔が熱くなる。
こんなところまで、彼に見透かされているのか。
しかし反論する間もなく、直接握り込まれて上下に扱かれるものだから堪らない。
「あっ……や……っ!」
強い快感から逃れようとするが、しっかりと押さえつけられていて身動きが取れない。
彼の掌の熱が、俺の熱をさらに高める。
やがて先走りが溢れ始めれば、それを塗りつけるようにしてさらに強く扱かれる。
「やぁ……っ!あ……あっ……」
羞恥と快楽が入り混じり、頭が真っ白になる。
何も考えられず
ただ喘ぐことしかできない俺の耳元に唇を寄せると、低く囁くような声で囁かれた。
「……|恋《れん》」
名前を呼ばれた瞬間、全身に電流が走ったような衝撃が走る。
背筋にぞくぞくとしたものが走り
その瞬間、俺は呆気なく果ててしまった。
身体中が熱くなり、膝がガクガクと震える。
放心状態で荒い呼吸を繰り返す俺に構わず、主任は再び唇を重ねてくる。
そのS加減が俺にとっては堪らなかった。
もっと、もっと、と身体が彼のことを求めてしまう。
そして烏羽主任は自分のベルトをカチャカチャと外すと、ベッドの脇に放り投げた。
そうこうしているうちに、烏羽主任はそのまま俺の両脚を持ち上げて開くと
後ろの秘部に指先を這わせる。
ひんやりとした指の感触。
「ん……っ」
一本だけ入っていっただけだったが
じんじんと、熱を帯びていく
「は……あぁ……」
「…やっぱりお前、可愛いな」
そう言われ、ゆっくりと奥まで挿入され
バラバラに動かされると、それだけでたまらなくなる。
快感が、身体の芯から震え上がらせる。
しかしある一点を掠めたとき、思わず声が跳ね上がるほど強い刺激を感じた。
「あッ……!?や、そこ、だめっ……!」
「……ここか?」
その反応を見た主任はニヤリと笑みを浮かべると
さらに執拗に攻め立ててくる。
ゾクゾクと全身に走る痺れに、俺はただ身体を震わせる。
あまりの快楽に頭が真っ白になりそうになったそのとき、指を抜かれた。
ひんやりとした感覚に、名残惜しさが募る。
烏羽主任の指には俺の精液が絡みついていた。
白い液体が、彼の指先で艶かしく光る。
俺が恥ずかしさから目を背けると、今度はそれを入り口に塗り付けるようにして弄ばれる。
「ふっ……あ」
つぷ、と指先を入れられて、少しずつ慣らしていくようにまた出し入れを繰り返す。
やがて馴染んでくると指を増やしていき、中を広げるような動きに変わる。
三本の指が入る頃にはもうすっかり蕩けきってしまっていたが
まだ足りないとばかりにさらなる快感を求めて、身体が疼くのを止められない。
この熱は、どこまで上がるのだろう。
そんな俺の様子に気づいたのか、主任はベルトを外して前を寛げると
ポケットからコンドームを取り出す。
そして慣れた手つきで装着すると、俺の両脚を肩に抱えた。
俺の視線は、彼の逞しい肩に抱えられた自分の足に向けられていた。
「ひっ……!あっ……だめ、いま……っ」
まだ頭が追いつかないままの俺に構わず、ゆっくりと自身を挿入する。
ずぶり、と、指とは比べ物にならない質量が押し込まれていく感覚に、腰が震えた。
身体が勝手に震えてしまう。
やがて全てが入りきると、それを馴染ませるかのようにしばらく動かないままじっとしていたが
次第にゆるゆると動き始める。
初めは浅く抜き差しされていたものが徐々に深くなり
「っ、あっ……んんっ……おっきいの、急に……っ、んぁ……まって……ぅ……!」
奥を突かれるたびに甘い声と一緒に気持ちよさから涙が漏れてしまう。
「そんなだらしない顔しても男を煽るだけだ」
容赦なく奥を責め立てられて、頭がおかしくなりそうだ。
思考は完全に停止し、ただ好きな男から与えられる快楽だけが俺の全てを支配していく。
もはや言葉を発することもできずに喘ぐことしかできない俺を見下ろしながら
烏羽主任はどこか満足そうな表情を浮かべると
さらに抽挿を早める。
肌と肌がぶつかり合う音が、リズムを刻むように響いて
結合部からはぐちゃぐちゃという水音が聞こえていた。
汗が、肌を伝って流れ落ちる。
身体が熱く、呼吸が乱れる。
やがて限界が近づいてきたのか、彼の動きがどんどん激しくなる。
「っひ、やぁ……っ!」
「しゅに……むり、もっ…いっ、ちゃうっ……とまん、ないっ……♡♡」
「イけ」
その言葉と共に最奥を突き上げられ、頭が真っ白になるほどの快感に襲われる。
目の前が真っ白になって、何も見えなくなる。
それと同時に熱いものが注ぎ込まれる感覚に体が震えた。
ずるりと引き抜かれたあと
俺はそこで意識を手放してしまった。
翌朝
目を覚ますと、目の前に主任の顔があった。
柔らかな朝日が差し込む部屋で
彼の寝顔が、あまりにも近くにあった。
昨夜の激しい情事の痕跡は、彼の顔からは一切読み取れない。
ただ、穏やかな寝息だけが聞こえる。
「な、なんで主任が?!」
起き上がって早々、驚きと動揺で声が裏返った。
自分のその発言はあまりにもデジャブを感じた。
そういえば、前回も同じことを言ったような気がする。
そして昨夜のことを思い返してみると、徐々に記憶が蘇ってくる。
一つ一つの場面が、まるで映画のように脳裏にフラッシュバックする。
そうだ俺……主任に抱かれたんだった…
そう思い返すと、急に恥ずかしくなってきて顔を手で覆った。
こんなに熱いのは、羞恥のせいだろうか。
それとも、まだ昨夜の余韻が残っているのだろうか。
「昨日は、悪かったな」
主任が起きたのか、その低い声が耳に響いた。
その言葉に、俺は凍りつく。
悪かった、ということは、やはり後悔しているのだろうか。
俺の勘違いで、昨夜のことはただの過ちだったと、そう言われるのだろうか。
不安に駆られ、俺は慌てて顔を上げた。
「え……」
するとそこには、いつもと変わらない冷静で落ち着いた表情の彼がいる。
眉間に皺を寄せているわけでもなく、困った顔をしているわけでもない。
ただ、俺の目を真っ直ぐに見つめていた。
「いえ……その…なんで、抱いてくれたんですか……?」
恐る恐る、そう問いかけてみると
主任は少し考えた後、小さく息をついた。
そして、俺の目を見つめて、真っ直ぐに言った。
「お前が泣きながら謝ってくるから、抑えられなかった」
「えっ」
その言葉は、予想外だった。
泣きながら謝ったから?それだけの理由で
あの冷静な烏羽主任が、俺を、抱いた?
信じられないような気持ちと、それでも納得してしまうような気持ちが入り混じる。
彼の瞳の奥には、確かに、微かな
しかし確かな熱が宿っているように見えた。
それは、俺の期待を、さらに大きく膨らませるものだった。
「また可愛がってやるから、もう泣くなよ」
その言葉を聞いた瞬間、全身が熱くなった。
きっと今俺の顔は真っ赤に染まっているのだろう。
耳まで、いや、首まで熱い気がする。
だって、それってつまり……つまりそういうことだよな?
「また」ということは、これからも、俺を「可愛がってくれる」ということだろうか。
この関係は、一夜限りではないということか。
思わず期待を込めて、じっと見つめ返す。
彼の瞳から、一瞬、困ったような
それでいて少しだけ照れたような表情が読み取れた。
それは、いつも完璧な彼からは想像できない
人間らしい一面だった。
俺の期待が勘違いではないと、そう信じてもいいのだろうか。