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その日からできる限り歌葉さんに声をかけ続けた。
千嘉「歌葉さん!次の移動教室一緒にいこう!」
千嘉「美術の授業ペアいなかったら一緒にやらない?」
千嘉「ここの音程ってどんなだっけ?歌葉さんわかる?」
私が声をかける度に歌葉さんは丁寧に1つずつ付き合ってくれた。
本当に私の書いてる物語の星姫みたいな人だ。
歌葉「天空さんってよく喋るのね…なんか初めて会うタイプね」
私が話しかけると歌葉さんは笑うようになった。
それがいろんな人に驚きを与えた。
私を取り囲んでた友だちたちは歌葉さんの変わりように一番驚いていた。
千嘉「歌葉さん!予定なければ一緒に帰ろう!」
歌葉「ごめん…ちょっと急用を思い出したから今日は無理かも…」
千嘉「そっか…じゃあまた明日ね」
歌葉「えぇ…また明日」
そう言って千嘉が教室を出ていく。
歌葉「約束通り残ったわよ」
そう歌葉の急用とは今まで千嘉を取り囲んでた友だちの人たちに放課後残れと言われたものだった。
友だち「お前さ…なんで残されたか自覚あるの?」
友だち「最近…妙に千嘉と仲いいじゃん?」
友だち「調子のってんじゃないわよ?」
歌葉「調子に乗った覚えはないけど?そもそも天空さんが喋ってきたのは彼女の意思でしょ?あなたたちにとやかく言われる筋合いはないと思うけど」
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千嘉「ここは誰もいないからいつも来ちゃうんだよな」
プラネタリウム館のシアタールームに足を運ぶ千嘉。
ここなら誰にも邪魔されず私の好きな星が沢山見てられる。
上映時間になり何度も見た映像が始まる。
千嘉(オリオン座とサソリ座の話これが一番好き)
オリオンは昔さサソリの毒で死んだという話。
そしてその鬼ごっこは今も続いているとかなんとか…
サソリがオリオンを追いかけているという言い伝えだか逆も言える。
そう、オリオンがサソリにリベンジを挑んでるようにも見えるのだ。
星は本当に考えることが無限に広がるから嫌なことがあるとこうやって星を見て忘れている。
中学校の頃イジメられて学校にいきたくなくて一日中ここにいたこともある。
ずっとオリオン座とさそり座の話を見てるからプラネタリウム館のおじさんとはよく話す仲にもなった。
おじさん「おや、また来ていたのかい千嘉ちゃん…」
千嘉「おじさん!星見るの好きだし未だに解明されてない星の謎解きも好きだから暇があると来てるよ」
おじさん「今や毎日のように来てくれるのは千嘉ちゃんだけだよ…すっかり人足が途絶えてしまった」
千嘉「おじさん…特別な流れ星の話信じる?皆見たことがないから信じない人ばっかなんだけど」
おじさん「私は信じるよ…そうだ……とっておきのものを見せよう」
そう言って1つの映像を流してくれる。
おじさん「この流れ星の映像は私が撮ったのだが…もしかしたら特別な流れ星だったかもしれん」
水色に輝く星が流れる映像で私はいつも見ていた動画を思い出す。
千嘉「私、この動画毎日見てます!やっぱり特別な流れ星の可能性ありますよね!」
おじさん「おぉ…千嘉ちゃんも見ておったか…嬉しいね…皆ただの流れ星と取り合ってくれなくてね」
私の周りの人もそうだ。
やっぱりおじさんとは話の波長が合うらしい。
おじさん「いつかこの星の謎も解き明かしたいものじゃのう…その時は一緒に解明してくれるかい?」
千嘉「私なんかでよければいつだって!力になります!いつも楽しい映像見させてもらってるしお手伝いぐらいどうってことないですよ」
おじさん「頼もしいな…若いのに話の波長が合うなんて嬉しいね…こんな老いぼれの話聞いて楽しいかい?」
千嘉「おじさんの星の話大好きです!学校にいきたくないときに見せてくれた映像とか本当に興味深いものばかりで!」
おじさん「千嘉ちゃんみたいな星好きな子がいてくれたらこの街も安心だね…誰かがその話を繋いでくれるから」
千嘉「繋ぐ?」
おじさん「そう…特別な流れ星を見たのは私だがそれを知ってるのは千嘉ちゃんだけだ…特別な流れ星は存在したんだと伝えていってほしいな」
そうだ……
確かに特別な流れ星が存在したんだ。
私たちの空想の話や昔話などではない。
おじさんの話は嘘など含まれてない真っ直ぐな目だ。
その想い確かに受け取ったよ。
誰も信じなくても…
私が生きてる間はその話を伝えていこう。
おじさん「今日はそろそろ閉館しないと…雨が降る予定だからね」
千嘉「そうなんですか?私も急いで帰らないと…兄に連絡…あれ?スマホがない…学校に忘れたかも……急いで取りに行かないと!」