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期末テスト3日前。
私立いちご学園の生徒会室は、どんよりとした重い空気に包まれていた。
「終わった……。数ⅠA、完全に理解不能なんだけど……」
机に突っ伏して消え入るような声を出す莉犬。
「大丈夫だよ莉犬くん!
僕なんか赤点とったら、次のライブの配信中、語尾に『ゴリラ』ってつけなきゃいけない罰ゲームが待ってるんだからね!?」
なぜか自信満々に絶望しているころん。
そんな2人を見かねて、しっかり者のななもり。が両手をポンと叩いた。
「はいはい、そこまで!
今回はみんなで合格するために、今夜は俺の家で『お泊まり勉強会』を開催します!」
「お、いいじゃん!俺がバシバシ教えてやるよ」
意外にも余裕の表情を浮かべるのは文系科目が得意なさとみ。
「僕が数学と理科の対策プリントを作っておきました。
これ、全員解けるまで寝かせませんからね……?」
ニコニコと天使のような笑顔で、悪魔的な分量のプリントを差し出するぅと。
全員の背中にピキリと戦慄が走る。
その夜、ななもり。の部屋。
勉強会が始まってわずか30分で、早くも脱線が始まっていた。
「あかん、歴史の年号が全然頭に入ってこへん……。
よし、ここは俺の『イケボ暗記術』で覚えるわ」
ジェルがペンをマイク代わりに持ち、急にセクシーな声で囁き始めた。
「いいか?……鳴くよ(794)ウグイス、平安京。
……お前のハートにも、俺というウグイスが鳴き響いてるで?」
「ジェルくんやかましいわ!暗記の邪魔!」
とすかさずツッコむころん。
しかし、莉犬は
「えっ、でも今のちょっと覚えやすいかも……」
とメモを取り始めている。
「ほらほら、集中しろ?次はこの英語の長文問題だ」
さとみが教科書を指さすと、るぅとがじっところんのノートを覗き込んだ。
「ころちゃん……『Apple』のスペルが『Apuho』になってるのは何故ですか?新しい果物ですか?」
「あ、あれはわざとだし!英語の進化系だし!」
必死に言い訳するころんに、部屋中が大爆笑に包まれる。
時計の針は深夜2時を回り、みんなのテンションは限界突破。
ななもり。が淹れてくれた夜食のココアを飲みながら、お互いに問題を出し合ううちに、いつの間にか全員の本気モードに火がついていた。
「絶対に全員で、次のステージに行こうな!」
数日後、テスト返却の日。
廊下には、無事に赤点を回避してハイタッチを交わす6人の賑やかな声が響き渡っていたのだった。
コメント
1件
椎名遥陽~はるひ~さん、第2話楽しく読ませていただきました!深夜の勉強会、脱線しながらも最後はみんなで合格できて本当に良かったですね。特にジェルくんの「イケボ暗記術」とるぅとくんが「Apuho」ってツッコむところ、思わず笑っちゃいました。莉犬くんがメモ取るのも可愛くて。仲間の絆が伝わる温かい話でした。次回も楽しみにしてます!
いちごちゃん
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ひよこのおやつ
2,212