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あのメッセージが届いてから数日。誰もその話を口に出さなかった。
けれど、メンバー全員が”何かを見た”ということだけは、互いに感じ取っていた。
阿部は理性的に調べようと、ホテルの登記や施工記録を調べ始めた。
しかし
阿部)このホテル、建設初の図面が存在しない
んだ。 どうやっても”3階と4階の間”の
データだけが抜け落ちる。
まるで、最初から”なかったこど”にされ
てるみたいに。
その言葉に、佐久間がぼそりと呟く。
佐久間)…..じゃあ、あの”3.5階”って、誰が作ったんだろ。
◆古い新聞記事
阿部が古書店で見つけた、30年以上前の地方紙。 そこには、見覚えのあるホテルの名前とともに、『建設中に作業員が一名失踪』という見出しがあった。
記事の内容はこうだ。
工事中、3階から4階への階段部分で突如作業員が消える。
管備員が懐中電灯を手に捜索したが、途中の構造が”変形”しており、調査は中断。
失踪者は見つからず。
その記事の片隅に、ぼやけたモノクロ写真が載っていた。
写っていたのは懐中電灯を手に立つ男。
目の焦点が合っておらず、表情は無だった。
佐久間が震え声で言う。
佐久間)…この人、あの時の”警備員”じゃん
◆鍵の刻印
翌日、渡辺があの泥のついた鍵を阿部に見せた。 よく見ると、鍵の裏には数字だけでなく、かすかに”文字”が刻まれているのがわかった。
そこには一
MAEDA
と読める刻印。
阿部が検索をかけた結果、
“前田誠司”という名前の作業員が、建設当時に行方不明になっていたことが分かる。
記事によると、彼は”階の間”の構造チェックを担当していた。
つまり、彼が最後にいたのは
3階と4階の間だ。