第29話 見ているだけじゃいられない
――影魔法を使う少年に、動きがあった。
家と買い物に出る商業地区との往復、時折同時多発事件の犯人として目撃させる「人影」を作る日々を送っていた少年。
その彼が――今日は、貧民街の奥へ向かった。
(これは――絶対、何かある!)
「連絡係に伝えてくる。どこに向かってるの?」
「貧民街の奥だよ。方向的には……廃屋とか古い建物が多いところだね。たぶん、城壁に近いと思う」
「接触するのに適してそうな場所だね。伝えてくる」
ジェイドが部屋を出る間も、理世は少年の姿をじっと見つめ続けた。
そそくさと家を出てきた少年だったが、歩みそのものはゆっくりだった。
時々立ち止まっては、キョロキョロ辺りを見回し、また歩き始める。
自分を追う人間を警戒しているようにも、周りを観察しているようにも見えた。
(知らせたのが今さっきだし、すぐに尾行はできない**********************
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