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2.俺様系とのバレンタイン神崎陽菜乃&二階堂健志
かんざきひなの にかいどうけんし
陽菜乃side
『おい神崎。バレンタイン作れ』
突然言われた。
作るつもりだけど、何作ればいいか、分からない。
『作りますけど、何がいいとかありますか?』
この関係にも慣れてきた。
最初は指図とかほんとに嫌いだったけどなんだか今はこれが心地いい。
『んー、チョコタルト。』
先輩が小さい声で言うからおもわず
『え、なんて言いました??』
『だから!チョコタルト!!俺好きなの。』
かわいいー、何ほんとに反則だって。
『わかりました!教えてくれてありがとうございます!』
家に帰り急いで作ってみる。
バレンタイン明日なんだよなぁ。結構急だよね。
2時まで試行錯誤を重ねやっと美味しいタルトができた。
『できたー!先輩。喜んでくれるかな。』
“ピコン
スマホの通知音
こんな時間に誰だろう。
スマホを見ると二階堂先輩という文字。
急いでLINEを見ると、
明日の放課後に屋上で待ってる。
そうだ、約束してなかった。よかった。
わかりました!とだけ送りラッピングを始める。
明日渡すの楽しみだなぁ。
『さよならー』
帰りの会後急いで屋上へ向かう
『先輩!』
『神崎か。』
『これ!頑張りました。ぜひ食べてください!!』
告白してるみたいに礼をして渡す。
『食っていい?』
『はい!』
そうして私のラッピングを綺麗に外し、口に含む
『うま。』
その一言が嬉しかった。
『ありがとう、神崎。』
『え。先輩?泣いてる??』
『神崎が俺のために作ってくれたのが嬉しくて。』
『先輩。かわいすぎます。』
『何言ってんだ。』泣くのを見せないように、してるのがなんとも愛おしい。
『先輩も私に作ってくださいね!』
『もちろんだ。今すぐにでも礼がしたい。何かある?』
『えぇ。急に言われても。』
あ!
『先輩!』
『なんだ?』
『そろそろ名前で呼んで欲しいです。』
『え。そんなことでいいのか?』
『だってずっと神崎じゃやだだから。』
『陽菜乃。可愛いよ。』
思わず俯いてしまう。嬉しすぎる。
私は今世界一幸せだ。
健志side
あーー、もうすぐバレンタインなのに、一向に神崎から話が出ない。
普通こういうのってもらうもんだよな?
未経験すぎて分からない。
でも。明日なんだよな。聞いてみるか。
『おい神崎。バレンタイン作れ』
いや、ド直球すぎたか?
なんでこんなに上からいつも言ってしまうのだろうか。
『作りますけど、何がいいとかありますか?』
作りますけど…ということは作ってくれるつもりだったんだ。
チョコタルト。お母さんがよく作ってくれたな。
『んー、チョコタルト。』
なんか恥ずかしかった。俺様キャラ壊れるんじゃないのかって思って。
『え、なんて言いました??』
『だから!チョコタルト!!俺好きなの。』
あー、、言っちゃった。
『わかりました!教えてくれてありがとうございます!』
意外とすんなり受け入れてくれてなんだか嬉しかった。
夜
こんな時間まで起きてないよな。でも、明日待ち合わせとかしてないし、、、
はぁ、これだから恋愛未経験はダメなんだよな。
連絡していいよね。
送っちゃうよ?
ああー送っちゃったー!
明日の放課後に屋上で待ってる。
かっこいい感じじゃない???
“ピコン
わかりました!
可愛い。俺なんかもったいない気がする。
明日が楽しみで夜も寝れないよ。
『早く学校終われ早く学校終われ。』
『おい、健志ー、呪いだよそれマジで怖いんだわ』
『だって今日神崎からバレンタインがもらえるんだぞ??早く学校終わらせる方法ないの?』
『集中することだねー』
こいつは湊。俺が唯一心を開いて話せるダチ。
『さよならー』先生がそう言うとおれは何も言わずに走って屋上にいった。
ドアを開けるとまだ誰もいない様子。
先に来れてよかった。
そうすると、
『先輩!』
神崎の声!
『神崎か。』
『これ!頑張りました。ぜひ食べてください!!』
神崎も緊張してる感じがかわいい。
『食っていい?』
『はい!』
俺のために作って俺のためにラッピングしてくれた。。
嬉しすぎる。
『うま。』
心からの言葉だった。
嬉しすぎて涙が出てきた。こんな時に泣くの情けないよな。
『ありがとう、神崎。』
『え。先輩?泣いてる??』
正直に言うよ。
『神崎が俺のために作ってくれたのが嬉しくて。』
『先輩。かわいすぎます。』
『何言ってんだ。』あんま見られたくない。
『先輩も私に作ってくださいね!』
もちろん作る。でも料理とか分からない。
『もちろんだ。今すぐにでも礼がしたい。何かある?』
『えぇ。急に言われても。』
キョトンとする神崎が可愛い。
『先輩!』
『なんだ?』
『そろそろ名前で呼んで欲しいです。』
名前。呼んでいいの?
『え。そんなことでいいのか?』
なんでこんなに余裕そうに答えるの?おれ??
名前で呼ぶの緊張する。
あーーー、可愛いよ。
『だってずっと神崎じゃやだだから。』
いや反則すぎる。いけ。俺頑張れ!!
『陽菜乃。可愛いよ。』
照れて俯く陽菜乃をいい事におれは今ニヤッニヤだ。こんなの見られたくない。
いつか俺も名前で呼んでもらえるように。横に並べるように頑張ろう。
そう思った。