テラーノベル
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「ゲホッ…ゲホッ…」
宮殿の中に咳き込む音が響く。この王国一番の悪女である私,セインは、肺炎に罹っていた。でも、悪女と言っても、初めから全て勘違いだった。どうやら、私を悪女に仕立て上げた人物がいるらしい。私の罪は、殺人罪だ。しかもその被害者は、百年前に亡くなった者だ。外国出身のわたしだけがその事を知っている。でも私のいる王国ではそんなにも医療など発達していない。
つまり、今の私にとって不幸以外の何でもないのだ。肺炎も治らず罪を被せられたままやがて死ぬ。
——天国に行けたら…楽しいだろな…——
そんな事を思っている最中に私は息を引き取ってしまった。
いつの事だろうか。まさか一度死んだ私が目を覚ますなんて…
「体が…軽い?」
目を開けるとここは知らない場所だった。管理の行き届いた明るい寝室、暖かい太陽の光。するとドアが開き、メイドのような柔らかい表情をした人たちが入ってきた。
どの人たちも私の知っている西洋の服を着ていなかった。服の名前は確か…韓服。
ということはここは韓国ということか。
「ソジュン様、おはようございます。ご機嫌はいかがでしょうか?」
…様?私の身分なら名前すら呼んでもらえなかったのに。
もしかして、転生したのか?
今は様を付けられるくらいの高貴な人で、ソジュンという韓国人になったということだけ分かった。それもとても健康な体の。前に居る人は≪シユン≫だった。
これは面白いかも…!
「おはよう、シユン。私は元気よ。心配いらないわ」
優しく微笑む。これで私の演技は完璧なはずっ‼
一方、シユンの脳内では…
「あれ?あの鬼のように厳しいソジュン様が笑った…⁉しかも何、あの優しく素敵なお言葉は!私の名前を呼んでくださるだなんて!」
「シユン、今日は何をするつもりなの?」
「今日はいつも通り、洗濯と料理と洗い物とお掃除でございます」
「そんなにも⁉今日はゆっくり休んでちょうだいね」
「でも、これが私の仕…」
「いいから。休むのも仕事よ?」
私はまず朝ご飯を作ることにした。レシピ本には辛そうな物がとにかく多い。一旦味見をしてみると、やっぱり転生したからか辛いものに慣れていた。
人数分作って各部屋に渡していき、それから洗濯や掃除、食べ終わった人達の皿から洗い物をした。元悪女で奴隷だった私にとってはこれくらい朝飯前だ。
でもシユン達にとっては異常なのかもしれない。
#オリジナル
ゆいらーめん
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#ホラー
名瀬口にぼし
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コメント
1件
うわ、面白い設定ですね!「悪女」って言われてたのに実は勘違いで罪を着せられてたっていう導入、しかも死因が肺炎っていうのがリアルで切ない…。転生先が韓国で高貴な身分になったのも良いギャップになってる。シユンの「鬼のように厳しいソジュン様が笑った!?」って内心に思わず笑っちゃいました。元の世界の経験が活きて朝食作ったり働いたりするところも、地頭の良さを感じさせる。百年前の殺人事件とか、誰が悪女に仕立て上げたのかの伏線が気になります!続きどうなるんだろう…