テラーノベル
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「好きな人がもし、いなくなったらって……僕にも想像はできる。今の琴音ちゃんの苦しみ、すごくわかるつもりだよ。でも、だからこそ、絶対に大丈夫だって信じていよう。マイナスのイメージを抱くより、プラスの希望を抱こうよ。君は……鳳条 琴音。今、君の旦那さんは、琴音ちゃんに会うために必死に戦ってるんだから」
その瞬間、心の底から熱いものが込み上げてきた。
そうだよ。
希望を持って龍聖君と一緒に乗り越えないと。
店長のおかげで、「しっかりしなきゃ」と、自分を奮い立たたせることができた。
私は「鳳条 龍聖」の妻なんだから。
旦那様の帰りを待つのが妻の役目。
「ただいま」って……
必ず笑顔で帰ってきてくれる龍聖君を、私がちゃんと元気に迎えなくては――
「綾井店長、ありがとう……ございます。店長がいてくれて本当に良かったです。私、龍聖君に会いたいです」
「ああ、必ず会える。だから、あと少し、待ってあげよう」
それから少しして、ようやく手術室のランプが消えた。
奥から出てきて、こちらに近づいてくる先生を見てドキッとした。足音がどんどん大きくなるにつれ、心音も激しくなった。
そして……私の目の前で止まった。
「御家族の方ですか?」
思わず息を飲む。
「は、はい、そうです」
胸が潰れそうになるくらいドキドキしながら先生の第一声を待つ。
この数秒間がとても長い。
「旦那さんは……」
息が止まり、唇を噛み締めた。
「もう大丈夫ですよ。心配ありません」
先生のその言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた糸がプツンと切れた気がした。一気にガチガチになっていた体中の力が抜ける。
と、同時に溢れ出す熱い涙。
「あ、あ、ありがとうございます! 先生……本当にありがとうございます」
龍聖君……
龍聖……君……
本当に……良かった。
よく、頑張ったね……
コメント
1件
良かった〜本当に良かったよ〜😭