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手紙。

最近の子は手紙についてどう思うのでしょう。

面倒くさい?やる意味が分からない?それとも楽しい?思うところは色々ありますよね。

かく言う私、日本もそうですから。

口頭で言うのとは違い、言いたいこと伝えたいことが凝縮されていて、今でもラブレターなるものが流行っていますよね。うんうん。良き文化です。


そんな良き文化に、私は苦戦を強いられています。


『 拝啓、』


という2文字のまま止まった筆に。


「にっぽーーん!!!」

「うわあああああ!?!?!?あ、アメリカさん!?」


うーんと頭を捻っていると、縁側からアメリカさんが顔を出してきた。何時もの太陽の様なニコニコ笑顔だ。この人は何時も機嫌が良いな。


「一体どうしたんです?今日来る予定ありましたっけ」

「アポ無しだよ!」

「アポ無しですか…」


HAHAHA!アメリカさんの大笑いが部屋に響く。取り敢えずアポ無しは勘弁願いたい。


「ん?ソレなんだい?手紙?」

「あ、はい。なんて書こうか迷ってしまって…」

「へ〜。誰に宛てたものなのか、聞いてもいいか?」

「イギリスさんです。先週の御茶会でのお礼をと」

「気を付けろよ日本。親父は皮肉屋なうえに執拗いから、何かやらかすと100年は笑われるぞ」

「え、そうなんですか?意外ですね」


そうか?なんてアメリカさんは言うけれど、長年の付き合いな貴方と違って私はつい先日、日帝から日本に戻ったのだ。 日帝の頃の記憶は日帝さんが持って行ってしまったから、勿論イギリスさんの事なんてこれっぽっちも分からない。

まさか、あの紳士然としたイギリスさんが皮肉屋なうえに執拗いとは。人は見かけによらないとは言いますが、カントリーヒューマンズも見かけによらないみたい。

まあ見かけによらないと言えばアメリカさんもだけど。だってほら、


「日本、仕事以外で親父に関わるのはよせ」


さっき迄の明るい表情はどうしたんですか?と問いただしたい程の変わりようだもの。


アメリカさんは私に過保護だ。

鎖国を脅して辞めさせた負い目でもあるのか。その様はまるで、何も知らない箱入りお嬢様とその兄だった。言い得て妙でしょう。本当にその通りなんですよね。

何にも知らないお嬢様が心配で堪らない兄は、お嬢様へのアドバイスや協力を惜しまない。但し、あくまで独り立ちさせたい故の行動の為、自分で出来そうな事は自分でやらせる。無知ゆえの危険な行動は注意し、手が届かない物は脚立を使うよう助言する。良い教育方針ですね。


私は少し、息苦しいです。


「アメリカさんは心配し過ぎですよ」

「日本がお人好し過ぎるんだ」

「そうですかね?」


私はどちらかと言うと性格悪い方だと思うけど。それは一体誰と比べての評価なのでしょう。


「昔、隈が出来てたからってソ連に膝枕したそうじゃないか」

「そんな事ありましたっけ」

「そんな暇無かったろうにパラオの面倒を見たり」

「面倒見られる程パラオさんって幼かったですか?」

「この前だって、日本ったらフランスの言う事を真に受けて…」

「そういえば手紙、なんて書きましょうか」

「無視かい!?」


このまま聞いていたらいけない様な気がして、アメリカさんの言葉を無視して私は手紙へ向き直りました。

アメリカさんったら酷いですね。さっきの思い出話、全て日本じゃなくて日帝さんの事です。こういった事はもう何度もあったので、特別どうとは思いませんが不満に思うのは確かです。

貴方が殺したから私が戻ったのに。貴方はいっつも日帝さんの事ばかり。


『 アメリカは辞めておきな。あの子は不器用だから、大人しく私にしておきなさい』


先週の2人きりでの御茶会で言われた言葉。本当にその通りですね。流石は親子、感服します。


『 君だって分かってるだろ。あの子は日帝くんにしか興味無いよ』

『 貴方こそ、』

『 私?私は何方も平等に愛してるよ。望みなら君にだけ、というのも』


そう言ったイギリスさんの熱を孕んだ目。思い出すだけで震えてきます。悪感なのか、歓喜なのかは知りませんけど。

『 何方も』と言ったイギリスさんの言葉が頭の中に反響してる様です。多分、イギリスさんの言葉に嘘は無いでしょうね、只の勘ですが。

私は日帝さんと同一視されたく無いんです。一緒は嫌。私は私なの。私一人が良い。なのに。


「君ってば、強引なのも変わらないね」


「ナンパ癖のイタリアを締め上げたり、フランスを職場に拘束したり、」


「君は本当に面白いね」


煩く回るその口を今すぐ閉ざさせたい。

そう穏やかでは無い考えを持ちつつも、私は無心で手紙を書いた。

先程まで苦戦していた手紙は、あっという間に書き上がってしまった。

内容は御茶会の感謝の旨。そして、クソ不器用で鈍い息子さんへの恨み言が埋めてくれた。



◇◆◇◆◇



「面倒な事になってるな」


緑の軍服、軍帽。額に旭日の紋が記されたカントリーヒューマンズが2人の様子をこっそり覗いていた。



◇◆◇◆◇


こんちはー!由珠で〜す!!

小説投稿めっちゃ久々!本当に遅くなって申し訳ない!

高校が予想以上に楽しくて大変で、時間の流れがめっ ちゃ早いです!

結構小説の書き方も変わってるかも。見づらかったらすいません😭

この小説もイギリスの見解シリーズと同じ世界線です!ちょっと複雑になって来たから設定集とか作ろうかな

カントリーヒューマンズBL集(自己満)

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コメント

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うぇあおぅわお久しぶりです〜多分というか絶対初コメでけど… う、この話の続きがあるなら見たいです…。

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