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拓真が銃口を向けられたまま立ち尽くしていると、遠くから轟音が聞こえてきた。それは次第に大きくなり、まるで地面そのものが震えるようだった。
「……なんだ、この音は?」田中が険しい表情で振り向く。
理恵も動揺を隠せない。「まずい……予定より早い!」
突然、外から轟音とともに光が差し込む。大音量のスピーカーから響く声が、トンネル全体に反響した。
「こちらアメリカ軍特殊部隊! 施設を完全に包囲した! 全員武器を捨てて投降しろ!」
「アメリカ軍だと?」拓真は驚きに目を見開いた。
田中が焦ったように理恵に問いかける。「おい、どういうことだ?介入しないはずだっただろう!」
「わからない!」理恵が歯ぎしりしながら銃を拓真に向けたまま叫ぶ。「何かが狂っている!」
その時、爆音とともに崩れ始めた。米軍のドローンが精密な攻撃で出口を塞ぐように火力を集中させているのだ。
「逃げ場がない……!」田中が絶望したように呟いた。
「ふざけるな!」拓真がその隙を突いて理恵に飛びかかり、銃を弾き飛ばした。「お前たちの計画なんか終わりだ!」
しかし、田中がすぐに亮太を盾に取る。「動くな!仲間を失いたくなければな!」
「田ァ中ッ!」拓真が怒りに震えながらも動きを止めた。
その時、崩れた天井から兵士がロープで降りてきた。全身を防護スーツで固めたその男は、ヘルメット越しに冷静な声で言った。
「君が拓真か?」
「そうだが……誰だ?」拓真が警戒しながら尋ねる。
「名前は重要じゃない。お前を救出しに来た。」兵士は短く答えると、手早く拓真を庇うように立ち位置を変えた。「ただし、彼ら二人は連行する。」
「ふざけるなァ!」田中が銃を取り出して応戦しようとするが、兵士の部隊がすでに背後からトンネルに突入していた。
「武器を捨てろ! これは最終警告だ!」 米軍の声が再び響く。
理恵と田中は完全に追い詰められた表情で、銃を地面に落とした。
「お前たちはこれで終わりだ。」拓真は冷たい目で二人を見下ろした。