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もうこれで終わりにするから
だから、これだけ、許してほしい。
「ねぇ、」
「好きだったよ、ずっと」
何か言われてしまう前に唇を塞ぐ。
ほんの少しの間だけだから、
強制的にとか、卑怯で最低なことだけど、
でもごめん。
私にはこうするしかなかった。
唇を離して、少し、笑みをつくる。
視界がぼやけて君の顔が見れないや。
「ごめん。もう、会わないから、」
「…さよなら」
そう言って彼から離れるため、全力で走った。
後ろから声が聞こえたけど私は振り返らない。
ごめん、ごめん、ごめん、ごめん。
最低でごめん。
このキスが、君のはじめてなら私は嬉しいと思ってしまう。
私は、君が欲しくて、君の記憶に残りたくて堪らない。
でもそれは出来ない。
もう、連絡もしないから。
君を思い出さないようにするから。
思い出も、この想いも全部消すから、
だから、だから君も、私を忘れてほしい。
…いや、本当は忘れないでほしい。
君のことが好きだった。ずっと。
私の初恋だった。
気付きたくなかった。
なのにどうしようもなくなってしまった。
友達で居られるなら居たかった。
君の近くに居れるなら友達でも、
それでもいいって思ってたはずなのに。
ごめん。私、行かなきゃいけないんだ。
もう遠くに引っ越しちゃうんだ。
もう、会えないんだよ。
そう思ったら君のことしか考えられなかった。
君で、頭がいっぱいだった。
君へのキスが私のはじめてだった。
キスって甘いものだと思ってた。
でも全然、そんなことなくて、
苦い、キスだった。
私の初恋はこれで終わりだ。
ビターなキスとともに
苦くて濃い思い出としても、私の記憶から消えることなく残り続けるんだろう。
_Fin