「翔太、起きな。今日早いんでしょ。」
翔太がもぞもぞとベッドの中で動く。
半分顔が枕に埋まってて、髪もぐしゃぐしゃ。
布団を引き寄せながら、伸ばしてきた手が俺のTシャツの裾をくいっと引っ張る。
「ん〜……むり、、眠すぎ。」
「起きないと間に合わねーぞ」
そう言いながら、ちょっと笑って、ベッドに腰掛ける。
翔太が見上げてくるその目が、眠たそうで、甘えてて、ちょっとだけ拗ねた感じで――ずるいくらい可愛い。
「……キスしてくれたら起きる、」
「……は?」
「だめ」
「……いや、だめじゃないけど」
「じゃあ早くして」
俺は少しため息混じりに笑って、翔太の顔を両手で包む。
軽く唇を合わせて、それで終わるはずだったけど。
「ん……」
つい、もう一度。
今度は少し深く唇を重ねて、舌先を滑り込ませてしまう。
「……ちょ、まって……っ、」
ぺしっと軽く叩かれて、涼ようやく唇を離した。
「なに?」
「いや、なにじゃなくて。朝からそういうのは違うって」
「キスしてって言ったのは翔太じゃん」
「そうだけど、そーじゃない。舌とかいらないから、朝は」
「……じゃあ、夜はいいってこと?」
「涼太、しつこい」
そう言いながらも、翔太の耳まで赤くなってるのを見て、口元を緩めた。
「起こすためのキスのはずが、怒られちゃったなー」
「怒ってはないから……ありがと。頑張るわ」
「うん、気をつけて。帰ってきたらまた……な?」
「なにを“な?”だよ、バカ」
そう言いながら、翔太は小さく笑って出かける準備をしに部屋を出ていった。
コメント
2件
朝から💙 ありがとうございます😭
あー可愛い💙たまらん