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コメント
4件
エッッッモ!!!!!😽︎💞 最高&エモだなぁ🤦♀️ 次回も楽しみにしてるねん‼️
やばい…めっちゃ感動🥹 いつも思うんですけど、なんでそんな神作が思いつくんですか!? すごすぎます…
『今日、先輩のいない世界になった』
tg視点
知らされるって、こんなにも突然なんだなって思った。
教室でプリントを配っていた先生が、ぽつりと口にした言葉。
「ぷりっつくん…今日の朝方、息を引き取ったそうです」
それだけだった。
それだけで、世界が崩れた。
手からプリントが滑り落ちる音が、やけに大きく聞こえた。
誰かが何か言ってた気がするけど、何も耳に入ってこなかった。
──嘘だ。
だって、昨日もLINEが来た。
「また明日、来てくれる?」って。
既読、つけなかったのが悪かった?
返せなかったのが、悪かった?
でも、明日が来るって、信じてた。
病室に入ると、もうそこに“あの人”はいなかった。
ベッドはきれいに整えられて、窓だけが開いていた。
風が入って、カーテンが揺れた。
いつもみたいに、「ちぐ、おはよ〜」って声が聞こえる気がして、
幻でもいいから呼んでほしくて、
でももう何も返ってこなくて、
──そこで、やっと涙が出た。
冷たくなったその手は、
あたたかい言葉を、たくさんくれた手だった。
不器用に撫でてくれたり、
無理やり笑わせてくれたり、
泣きそうなとき、そっと握ってくれたり。
pr なあ、ちぐ。俺、ちぐの全部が好きやで
最後の声が、耳の奥に焼きついてる。
消えない。消えてほしくない。
机に戻ってきたとき、
自分の席に一通の手紙が置いてあった。
白い封筒。字は少し震えてて、
「ちぐへ」って、書いてあった。
怖くて、すぐには開けられなかった。
でも、帰って、部屋でひとりになって、
声を震わせて封を切った。
その中に入ってたのは、
――未来をくれた言葉だった。
『お前が生きることは、俺が生きた証になる。』
泣きながら笑った。
そんなのずるいよ、先輩。
でも、ありがとう。ありがとう。ありがとう。
ねえ先輩。
明日も、明後日も、その先の春も、
俺は、あなたが見たかった景色を生きていきます。
だから、どうか空の上で見ていてください。
俺の春は、あなたでできているから。
“今日、先輩がいない世界になった。
それでも、俺はあなたを生きる。”