💙「ごめっ……なさぁい……いぃぃっ!!…」
💚「言い訳なんか聞かない」
阿部ちゃんはベッドで、俺の両手を頭上に縫い付けたまま、殆ど解さずに、俺の中に乱暴に欲望を突き立てた。
身体を真っ二つに引き裂かれるような激しい苦痛に耐えきれず、ひとりでに涙が溢れた。全て自分自身が招いたこととはいえ、優しい阿部ちゃんなら許してくれると心のどこかで甘えていた自分に気づく。
阿部ちゃんの上半身が、俺の身体に覆い被さり、耳元に熱い吐息がかかった。
💚「翔太は俺のもの。言ったよね?」
声も出ず、脂汗をかきながら、必死に何度も頷く。阿部ちゃんは軽蔑するような眼差しを俺に向け、それでも激しい腰の動きは緩めなかった。
💚「めめってさ、そんなにイイの?」
胸の先端を捏ねくり回しながら、聞かれるけど、痛くてとても答えられない。苦痛の時間が早く終わってほしくて、見たことのない阿部ちゃんから目を逸らしたくて、俺は目を閉じようとした。
するとすぐさま、顎を持ち上げられ、唇を貪られた。乱暴に舌を絡められ、口の中を強引に犯された後、阿部ちゃんは言った。
💚「答えろよ、翔太。お前は俺のもんだろ」
💙「ゆるして……」
俺の顔はもう涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。
あそこの感覚は既になくなっていた。それでも、覆い被さる阿部ちゃんのものが、乱暴に何度も出し入れされているのはわかった。荒い息遣いが顔にかかる。
どうして阿部ちゃんを裏切ってしまったりなんかしたのだろう。
隠し通せるわけなど、なかったのに。
それに、俺には、阿部ちゃんしかいないのに。
怒りに震えて、俺を強引に犯す阿部ちゃんの、酷薄な表情を見上げながら、俺は痛みと苦しさで意識を失った。
次に目が覚めたのは同じベッドの中。
下半身が気怠く、まだ痛みも引いていなかったが、そこは綺麗にされて、下着も穿かされていた。
阿部ちゃんが、背中を向けて震えていた。泣いているのだとわかって、おそるおそる声を掛ける。
💙「阿部ちゃん…」
阿部ちゃんの肩がビクッと跳ねた。
そして、ゆっくりと振り返り、泣き腫らした顔を隠さずにこちらへ向けた。大きな手が俺の頭を撫でている。
💚「ごめんね、翔太。いっぱい血が出てた」
💙「…そんなのいいよ」
なんとか半身を起こそうとすると、阿部ちゃんが背中を支えてくれた。
💚「俺、余裕なくなってた。翔太を失いたくなくて」
💙「うん……」
💚「俺のこと好き?」
💙「好き」
そう言って、阿部ちゃんの首に腕を回して抱きしめる。阿部ちゃんはなぜか嫌がらず、俺にされるがままにしていた。
めめとの浮気がバレ、数時間が経っていた。スマホは見ていないけど、めめからの着信が何度か入っているはずだ。めめはめめなりに、俺のことを今ごろ心配しているだろう。
💙「ごめんなさい、阿部ちゃん。俺が本当に好きなのは阿部ちゃんだけだから」
💚「…………」
💙「もう、めめとは絶対に2人で会ったりしない」
💚「……俺、翔太を赦せるかな」
阿部ちゃんは誰に言うとはなしに虚ろな口調で呟く。抱きしめているのに、心の距離が相当遠ざかってしまったことに焦った。
💙「赦して…阿部ちゃん…」
💚「ごめん、今日は帰るね」
阿部ちゃんは優しく俺を振り解くと、そのまま部屋から出て行った。去り際はわざと顔を見せないようにしていた。
俺は不安と焦りで込み上げてくる涙が止まらず、今さらながら自分の犯した罪の大きさに絶望していた。
おわり。
コメント
4件
阿部ちゃんが許してくれますように😭
いや、なんだろ?めめ🖤ったら間男枠が似合うのよ。 モテ男だけど振られる役も似合う...と思ってる😆
『裏切り』第2弾です。 浮気相手は一緒だけど相手も違うので、世界線は別です。まだモラルがある頃のお話。そう遠くないいつか、3人カップルの平和な世界線を書きたい。一途で嘘がつけない可愛いしょぴ💙が大好きだけど、苦悩し、痛めつけられるしょぴ💙も嫌いじゃなかったりします(完全に偏った癖)不快な想いをされた方、すみません。