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髪を撫でるように吹き抜ける風が心地いい。
会社へと向かう道の途中の公園にはタンポポの花が咲き乱れ、短い春は速足で過ぎ去ってもうすぐ夏が来る。
太一くんと一緒に暮らすと決めてからは、駆け足で引っ越しの準備を進めた。
休日に2人で家具や食器を見に行ったり、自分の荷物を少しずつ太一くんの家に運んだりしているうちに、どんどんその実感が湧いてきて、この頃の私は浮かれていた。
自分でもそんな自覚があった、そんなある日の昼休み。
「いーちか!」
販売機の前に立つ私の背中に軽い衝撃が走り、振り返る。
「美和子」
「調子良さそうじゃない。何かあった?」
仕事中は心が浮き立たないように意識していたつもりなのに、美和子にはあっさり見透かされていたようで、ニヤニヤと笑みを浮かべながらわき腹を小突いてくる。
美和子には話しておこうとは思っていたけど、こんな形で逆に突かれると恥ずかしくなってくる。******
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