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古流斬
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チタコロ
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第三章 はぐれ者編
第四話「絶望と希望」
夜。
廃墟となった神殿。
虚飾は一人、崩れた祭壇の前に立っていた。
「防衛軍を倒すには……まだ足りない。」
血で作った分身たちも静かに消えていく。
「もっと力が必要だ。」
その時。
祭壇の奥に、一体の石像が眠っていた。
それは――
七つ大罪・傲慢を象った石像。
虚飾はゆっくりと近づく。
「封印されていた時、お前の気配だけは感じていた。」
「なら……。」
虚飾は笑う。
「お前の力を、喰らえばいい。」
血の刃が石像を砕く。
砕けた石片を、虚飾は迷うことなく飲み込んだ。
その瞬間――
ゴォォォォッ!!
凄まじい衝撃が体を駆け巡る。
「ぐっ……!」
血管が浮かび上がり、全身が震える。
「理想……!」
しかし、何も起こらない。
「……違う。」
虚飾は苦しそうに息を吐く。
「理想は手に入らない。」
傲慢の能力は継承されなかった。
だが、その代わりに新たな力が目覚める。
空間が揺らぐ。
「これは……。」
虚飾の姿が一瞬で消え、数十メートル先へ現れた。
「転移。」
理想ではない。
だが、傲慢の能力の一部だけが虚飾へ宿った。
「……十分だ。」
「これで戦い方は変わる。」
虚飾は不気味に笑う。
「分身。」
「血液操作。」
「そして転移。」
「防衛軍。」
「今度こそ終わりだ。」
⸻
その頃――
防衛軍本部。
ユーマは一人、庭で木刀を振っていた。
夢の中で父・古流斬から教わった技術を何度も反復する。
「まだ遅い……。」
「もっと速く。」
何度も何度も振り続ける。
その姿をケイトは静かに見つめていた。
「努力しているな。」
ユーマは振り返る。
「父さんに追いつきたいんです。」
ケイトは首を横に振る。
「追いつく必要はない。」
「お前は、お前の戦い方を見つけろ。」
ユーマは小さく頷く。
「……はい!」
その瞳には、確かな決意が宿っていた。
一方では絶望が力を得て。
もう一方では希望が力を磨く。
新たな戦いの幕が、静かに上がろうとしていた。
――第五話へ続く。
コメント
1件
うわっ、虚飾が傲慢の石像を喰らうシーン、すごく衝撃的でした。しかも理想が手に入らなくて新たな力・転移が覚醒する流れ、設定のバランス取れてて好きです。「理想=傲慢の完全継承」を求めても得られない、でも不完全ながらも戦略を変えられる力を得る…という割り切りの方向性が、虚飾のキャラによく合ってますね。一方でユーマが父の教えを反復しながらも「自分の戦い方」を探している対比構造が美しい。次回が楽しみです!