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翌日の放課後。
一同は朝陽を連れて、街外れの静かな公園へ向かっていた。
朝陽は不思議そうに信愛の背中を見つめながら声を掛ける。
「あの・・・先輩?
一体何処に向かってるんですか?」
信愛は振り返ることなく、小さく笑った。
「いいからついて来て。会わせたい人がいるの」
朝陽はますます首を傾げる。
「誰ですか?」
「それは着いてからのお楽しみだよ」
「は、はぁ・・・」
納得はできなかったが、朝陽は信愛の後ろを黙って歩き続けた。
やがて目的の場所へ辿り着く。
信愛は立ち止まり、振り返って笑みを浮かべた。
「さあ!着いたよ!」
朝陽は周囲を見回す。
「あの・・・ここに誰が居るんですか?」
信愛は優しく答える。
「たぶん浦添くんが一番
会いたがってる人だと思うよ」
「僕が・・・会いたがってる?」
朝陽が困惑した表情を浮かべた、その時だった。
公園の奥から、一人の女性がゆっくりと歩いてくる。
「あ、朝陽・・・」
聞き覚えのある声。
朝陽は反射的に振り向いた。
「あ・・ああ・・・」
その姿を見た瞬間、朝陽の瞳いっぱいに涙が溢れた。
「お、お母さん?」
絹も涙を浮かべながら、小さく微笑む。
「ひ、久しぶりね・・・朝陽」
朝陽は言葉を失う。
「お母さん・・・ぐすっ」
そして堪えきれなくなった感情が、一気に溢れ出した。
「お母さん!」
朝陽は涙を流しながら、勢いよく絹へ抱きつく。
「朝陽・・・ぐすっ」
絹は震える腕で息子を抱き締め返した。
朝陽は絹の肩に顔を埋め、嗚咽混じりに言葉を紡ぐ。
「ずっと会いたかった!会って謝りたかった!」
絹は驚いたように目を見開く。
「謝りたかった?」
朝陽は首を横に振りながら涙を流す。
「僕のせいなんだよね?
僕がお母さんの言う事聞かなかったから」
その言葉を聞いた絹は、強く首を振った。
「違うわ朝陽!朝陽は何も悪くない!」
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絹は涙を滲ませながら、朝陽の頬へそっと手を添えた。
その優しい声に、朝陽は小さく首を振る。
「でも、お母さんに会えて確信したよ
叔母さんが言ってた話全部デタラメだったんだね」
絹の瞳が大きく揺れる。
「朝陽・・・信じてくれるの?私の事を・・・」
朝陽は迷うことなく頷いた。
「当たり前でしょ?」
その一言だけで十分だった。
朝陽は涙を拭うこともせず、まっすぐ母を見つめる。
「僕が心の底から『お母さん』って呼べるのは
世界でただひとり・・浦添絹だけだよ」
その言葉を聞いた瞬間、絹の唇が震えた。
「う・・うぅ・・・」
堪えていた涙が次から次へと溢れ出す。
「朝陽・・・」
絹は嗚咽を漏らしながら朝陽を強く抱きしめた。
失われた十数年を埋めるように、その腕にはありったけの想いが込められていた。
朝陽も母を抱き返し、静かに微笑む。
「これからはずっと一緒だよ、お母さん」
絹は何度も頷きながら涙を流す。
「もちろんよ、朝陽・・ずっと一緒よ」
そう言うと、絹は幼い頃と変わらない手つきで、朝陽の頭を優しく撫でた。
夕焼け色に染まる公園で、母の温もりを確かめる朝陽は、ようやく心から安らかな笑みを浮かべる。
長い年月、すれ違い続けた母子は、ようやく本当の意味で再び家族になることができたのだった。
コメント
1件
うわっ……読んでてこっちまで泣きそうになったわ……。朝陽くんが「お母さん!」って抱きつくシーン、ずっと心に溜めてた想いが一気に溢れた感じがして、胸がぎゅーっとなった。お母さんも「何も悪くない」って言ってくれて、やっと本当の家族になれたんだなって思うと、もう言葉にならない。×××さんの描く親子の再会、凄く丁寧で感情がまっすぐ届いてきた。続きも楽しみにしてる🔥