『 きっと私にしかできない人生 』
9月2日、夏休み明け。
わたしはいつもの電車に乗り、
学校へ向かった。
学校に辿り着けば、そこには成だけ。
いつもわたしは人より早い電車に乗る。
その理由は早い電車に乗らないと
教室に入れないから。
その理由が為に、いつも早起きをし、
電車に乗り、学校へ向かう。
そのこともあり、学校へ着けば
いつも成と2人きりだ。
わたしが鞄を置き、席に着いた瞬間に
成はわたしに近づき、
手を伸ばし、わたしの頭をぽんぽん、とした。
わたしの気持ちはわからなかった。
うれしいのか、うれしくないのか。
夏休み明けで緊張していたのか、
それとも女慣れしている人だと
思っていたからなのか、
自分は気持ちがわからず、学校を終えた。
学校を終えると、メールが届いた。
もちろん成からだった。
『まさか本当にされるとは
思わんかったやろー?』と一言。
わたしは『うん、思わなかった笑』と返した。
その日、わたしは先輩達と
ご飯を食べに行く予定があり、
このことを先輩達に相談した。
すると、成の名前を聞かれ、
顔写真があるかどうかを聞かれた。
わたしは躊躇いもなく、成の顔写真を
先輩に見せた。
そうすれば先輩達はみんな知っている、
と答えた。
どうやら成は女遊びで有名な子らしい。
先輩達の友達に成と付き合っていた人が居たそうだ。
その友達の名前は晴海(はるみ)先輩。
成と晴海先輩は付き合っていたのに
成は晴海先輩の妹にも手を出したらしかった。
これで成がわたしのことをどう思っているのか、
確信がついた。
成はわたしのことを弄んでるね。
わかってたことではあった。
“付き合ってもないのにボディタッチ”などと、
わたしはそのことに対して
よく調べていたから。
そして、ある1人の先輩が
晴海先輩のメールを持っていたらしく、
連絡を取ってくれた。
すると、一言、返信が来たそうだ。
『成は女遊びが荒い』だと。
今回は騙される前に気づいたからよかった。
だが、わたしの気持ちは怒りと悲しみと怖さ。
人のことを傷つけたのが許せなかった。
人のことをおもちゃのように
扱う成が許せなかった。
人はおもちゃじゃない。
わたしのこともおもちゃに使って、
わたしは成のおもちゃじゃない。
わたしは本当に成のことが許せなかった。
わたしは夏休みの間にお金をたくさんかけて
成のために可愛くなれるようにした。
足痩せに、お腹痩せ、縮毛矯正も。
全部全部、成のためにやった。
大金払って成に貢いだようなものなんだよ。
心の中ではたくさん成を許せなかった。
だけど、わたしはまだ成のことが好きだ。
嫌いになれなかった。
次の日、わたしは教室に入った瞬間、
外へ駆け出した。
そして、朝のホームルームも受けず、
早退をした。
理由は、成が怖かったから。
騙されたと知って恥ずかしかったから。
成はわたしが帰った瞬間にメールをくれた。
『大丈夫かー?
帰ったら話聞こか?』って。
でもわたしは相談できない。
だって、わたしが早退をした理由は
成が原因だったから。
わたしはこの日から不登校気味になった。
コメント
1件
初コメント失礼します! 成はどんな気持ちなんだろう、 展開が気になります、、