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ぷち
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番外編72『恋愛相談乗ってください!2』後編
私は残酷なことをしてしまったのかもしれない。私だけが、知ってるのに。こんなことが意味があるの?束の間の幸せが…レンカ様にとっての幸せなの?私は答えを言うことは出来ないのに。アモンにも。レンカ様にも。
私は黙って2人を見つめた。
『この薔薇…。珍しい品種っすよ!こんな綺麗な色、どうやって作ってんすかね…。』
俺は薔薇を手に取る。
『アモン様は本当にお花が好きなんですね。』
『はいっす!俺の1番の拠り所っすから。』
『拠り所…ですか。いいですね。私にも…拠り所になるものができるでしょうか?』
『…もしないなら、今から作ればいいんすよ。』
『え?』
俺は薔薇をレンカ様の頭に添える。
『拠り所を見つけるのはそう簡単じゃないかもしれないっす。もし悩んで見つけられなければ、俺と同じように…花を拠り所にして下さい。花は…どんなときも癒しをくれるっすから。』
『アモン様…。』
『へぇ、あいついいこと言うじゃねぇか。』
『そうだな。アモンらしい。』
『2人とも前に出すぎだよ…。』
フェネスが2人を宥める。
反対に私の心は罪悪感で染まる。
『お姉ちゃん……。』
『あ、アモン様は…今…お慕いしてる人はいるんですか?』
(レンカ様言った!)
『俺っすか?そうっすね…。』
『わ、私は…アモン様に初めて会ったあの時からずっと…アモン様のことが好きです!』
『レンカ様…。』
しばらく黙り込んだ後、口を開く。
『気持ちは凄く嬉しいっす。でも…。』
俺は頭を下げる。
『ごめんなさいっす。俺には…大切にしたい、好きな人がいます。』
『…!』
『薔薇が拠り所なんて言ったっすけど、本当は薔薇以上に俺の大切な拠り所なんすよ。だから…気持ちには答えられないっす。俺の、好きな人は――。』
考えるより先に身体が動いた。
『アモン――!』
私は2人の前に立つ。
『あ、主様…?』
『ま、麻里衣様、どうして…。』
『アモン。』
私はじっとアモンを見つめる。
『……。』
その意味を察したのかアモンはニコッと微笑む。
『今日はここまでっすね。もう日も暮れるっす。ご令嬢様をこんな遅くまで連れ回してたら怒られるっす。』
『アモン、様…。…今日は、ありがとうございました。麻里衣様も…。』
『っ、はい。』
『相談乗ってくれてありがとうございます。アモン様。私の気持ちを聞いてくれてありがとうございます。』
レンカ様は何かを堪えてその場を去った。
コツコツ……。
『主様。どうしてここにいるんすか?』
『っ……。』
『俺がご令嬢とどうこうなる方が良かったんすか。相手は貴族だから俺が断れないと思って。交際を引き受けると。』
『それは、違う…。アモンが私の事好きなのは知ってる。でも、その事をどうしても話せなかった。淡い希望を抱かせた私は最低なのも分かってる。それでも…。』
『…ずるい人っすね。』
アモンは少し悔しそうな泣きそうな顔をする。
『でも、そんな所も俺は好きっすよ。』
アモンは私の頭を撫でる。
これは施しなのか励ましなのか…分からない。
でも、少しだけ罪悪感が薄まった。
『じゃあ、主様。俺からのお願い、聞いてくれるっすよね?』
『え?』
その日の夜――
『お願いって…。安眠サポート、ね。』
『最近よく眠れないって言ってたっすよね?俺の甘ーい安眠サポートで寝かせてあげるっす。』
アモンがベットに入ってくる。
『ちょ…。』
『しー…。』
ベリアンに見られたら怒られると分かってるのに…。本当、侮れない執事。アモン・リード。
『おやすみなさい。主様。』
『おやすみなさい…。』
めでたしめでたし…少し切ないお話でした。
コメント
1件
ああ、もう…この切なさ! アモンに想い人がいるって分かってる麻里衣様の視点がすごく苦しかったです。「俺には…大切にしたい、好きな人がいます」って言うシーン、レンカ様にも麻里衣様にも刺さる言葉すぎて胸が締め付けられました。最後のアモンの「ずるい人っすね」からの頭ポンポン、優しさなのか罪悪感なのか分からない感じがリアルで…でも安眠サポートで締めるアモン、やっぱり憎めないですね。番外編なのに本編の関係性がぎゅっと詰まってて、とても好きな回でした!