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朝日が自室を照らす。いつもの光景のはずなのだが、今日は一つの異物が居た。
「おはようございます、ご主人様」
全てを見透かすかのような宝石に似た何かを感じさせる瞳。整えられた短い髪。1度目にしたら決して忘れられないほどの美貌を持つ彼の名は、エドマンド・ハリントン=スミス。俺の友人であり、今は専属の使用人だ。
エドマンドがいることは別に違和感ではない。問題は…
「なぁ、エドマンド。なんでメイド服なんが着ているんだ」
裾の長い黒色の装いに反するように、控えめなレースのついたエプロン。ご丁寧にヘッドドレスまでもをつけている。エドマンドの外見と相まって、随分と様になっている。
「ご主人様の女嫌いを治すためでございます。」
ヤブ医者の方がまだマシな治療をするだろう。女嫌いを治すために自らを女の身なりにするとは。彼は没落すると同時にプライドまでも殴り捨てたのだろうか。
さっさと動かんかい、とでも言いたげな視線を向けるエドマンド。
今、俺は彼の短絡的かつ強引な治療に打ち負けそうだと言うのに。
「早く起きてください。私はあなたを待てても、時間はあなたを待ってはくれませんよ」
こうして、俺と奇妙な女装メイドとの生活が幕を開けたのであった。