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振り返ると
弔くんが入ってきた。
「俺も入るから」
と。
えっ!?!?ちょっとーー!!!
『ダメだってば!!今日はほんとに…….』
必死で出さそうと押してみるも、私の腕の力じゃびくともしない弔くんの身体。
細いのに、力は男の子だから強いんだ。
「なんでダメなの?理由を言ってほしい…」
そう言って下を向く、弔くん。
なんだか悲しそうだ____
不安なんだ____
ごめんね、
『弔くん、私ね…』
話そう____
『今、生理なの』
「せ、いり…?」
首を傾げる弔くん____
と
「は!?凛!!!血が!たくさん流れてる!!なんで!?どこか怪我したの!?」
と
私の下を流れるたくさんの血を見て言う。
私は
『これが、生理だよ。体の中から血が出てくるの』
「それ、大丈夫なの..?」
『大丈夫、毎月あるし、、』
「毎月!?」
そう、弔くんはびっくりしたような声を出したかと思えば
ギュツッッ
私を強く抱き締め
「凛…痛いの?.」
と。
『そうだね、お腹がめちゃくちゃ痛いの』
そう私が言うと
私のお腹を優しく撫でる。
「お腹から血が出るの?」
『違うよ、子宮、って言うところから血が出るの』
「しきゅう………」
そう弔くんは私の言葉を反復し、
「ほんとに大丈夫なの…?
俺…凛が傷つくのは嫌だ…凛が辛い思いするのは嫌だ…」
弔くん…。
弔くんは私の肩に顔を埋め呟く。
そんな大袈裟な____
でも、びっくりしちゃうよね。
私も弔くんを抱きしめる。
『ごめんね、びっくりさせちゃうと思って…』
「うん…」
しばらく無言で抱きしめ合う____
シャーーーーーーーーー
シャワーの音が響く。
お互い、濡れた髪
濡れた体
見つめ合い、そのままキスをする。
「凛…」
そう言って私の名前を呼びながら、
弔くんは髪を撫で
私の腰に手を当てる
_______
もしも私でなかったら、一瞬で壊れてしまっていただろう
弔くんの手はこんなにも優しいんだって他に誰が知ってるだろう。
痛いお腹を優しく撫でてくれる優しい手。
『痛くなくなった気がする…』
「ほんとに?よかった」
2人、布団に入り後ろから抱きしめてくれる弔くん。
と
「先生に…聞いた事がある気がする」
『ん?』
弔くんは続ける。
「世界の始まり、アダムとイブの話…」
ああ____
人類の始まりの話。
弔くんは先生に教えてもらった事を話す。
神様が、天地を作り
動植物を創った
そして最後に創ったのが人間なのだと。
神様がアダム(男性)とイブ(女性)という人類を最初に生み出したのだと。
そのアダムとイブが、神に背き、食べるなと言われていた禁断の果実を食べてしまったと。
罪を犯したせいで
男性は、食べるため生きるために働かなくてはならない
女性は、子供を産むために苦しまなくてはならないと_____
「凛は…苦しんでほしくない…」
最後、そう言い強く抱きしめる。
私は抱きしめる弔くんの手に自分の手を添え、
『大丈夫だよ』
とだけ言った。
毎月来る、この痛みと
将来経験するかもしれない子供を産む時の痛みを想像すると
ほんの少しだけ苦しい、と思うけれど
「凛……好きだよ…」
こう言って優しく言ってくれる弔くんが居るだけで幸せだね____