入学式翌日。
母親の手前、取り敢えず来た中学校はやはり小学校とそんなに代わり映えするはずもなく、酷く退屈だった。
目立つ連中は既にグループを作り始めつつ、みんながみんな、それぞれの出方を伺ってる
いちばんキライな時期。
「お前ギターやってんだって!?」
頭の上を一際威勢のいい声が通り過ぎていく。
自分には関係ないと決め込んで、動かずにいると
「なぁ、大森!」
まさかの俺の名が続いた。
のっそり顔を上げると、いかにも人の良さそうな笑顔。
こいつ絶対一軍陽キャじゃん…わざわざ俺なんかに話しかけなくても…
と思いつつ、数少ない音楽の話だったから、とりあえず話を合わせた。
とは言っても、…若井?が勝手に喋ってて、2、3回「うん」と答えただけだけど。
話の流れで、気まぐれにメアドと動画サイトのアドレスを教えた気がする。
どうせすぐ忘れられるだろうから、まあどうでもいい。
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