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今日は嫌なことがあった。
自暴自棄になっており、もう何も考えられない。
気付けば自分の家に帰っており、弟が待っていた。
クロ「ああ、おかえ…おい、大丈夫か?顔ぐちゃぐちゃだぞ。」
ゲームをしていた次男がこちらへきて、目から溢れ出た水滴を指で拭き取る。
クロ「何があった。喧嘩でもしたか?相談のるぞ?」
柊「あ、おかえり!どうしたの?」
そこへ三男が部屋から出てきて、こちらの様子を伺う
色々と聞かれたが、答える気はなかった。
なかったけれど。
白戸「…いっしょに、しにたい」
クロ「…は?」
思わず口に出してしまった。
次男は納得をしていないようだ。
クロ「どうしてだ、?」
白戸「…」
自分が情けない。下を向き、目を合わせようとしない
クロ「そんなこと…いわないでくれ。たのむ…しなないで…」
ああ、もう、むりだ
白戸「…なんで、そうやって僕を止めたがるの?嫌いなの?」
静かに聞く。
2人はただ佇んでいるだけだった。
白戸「そうやって、みんな僕の邪魔ばっかりしてくる…」
クロ「まて白戸、落ち着け…」
白戸「僕のことなんて分からないくせに!!」
僕の中の黒い感情が表に出る。
この時、2人はどんな顔をしていたのかなと考えてしまう。
きっと、兄を蔑んだ顔をしているだろう。
兄は心中をしたいと告白した
突然の事で、俺は戸惑った。
クロ「分からない、たしかに分からないが…」
それでも、お前のことは大好きだ。
そばにいて欲しいし、これからも助けてほしい。
しかし兄はどれほど悩んできたのだろうか。
こんなに抱え込んでいるなんて、思いもしなかった
いや、分かろうとしなかったのかも知れない。
柏木「せめて…僕だけでいい…殺して、」
兄の声に反応する。
“殺して”
この言葉は、俺にとっては魔法の言葉だ
冷たく、固くなった彼の体は、どんなに良いものか。
試したくもあった。
心の中で…いや、顔に出ていたかもしれない。
俺は恍惚の笑みを浮かべていた。
白戸「…こうなったら」
兄は急に俺を押し倒し、首を締め付ける。
人を殺め慣れていない、その手際で気管を押さえつける。
白戸「こんな兄弟、最初から居なければよかったのに…!!」
抵抗しようとしたが、彼の言葉が心に突き刺さる
ハッとして、俺は兄を押し返した。
僕は知っている。
本当は弟2人を道ずれにしたくないのも、
本当は兄を殺したくて堪らないのも。
初めから知ってたよ、お兄ちゃん。
僕は良いんだよ、僕らで一緒に死んでも、
クロだけ残って欲を満たしても。
だってね、全部愛だから。
あの時、助けてくれたのもお兄ちゃん。あの時、支えてくれたのもお兄ちゃん。
だから、次は僕がお兄ちゃんの役に立つからね。
柊「…とりあえず落ち着こうよ、ね?白戸はお風呂入ろっか。1人は嫌だったら僕も入るよ?」
白戸「…うん」
柊「クロは先に寝てていいよ、後で僕も行くからさ」
クロ「…わかった」
《風呂場》
柊「よいしょっ…と、最近は寒いね…そろそろ年明けも近いしさ、」
白戸「…」
彼は静かに頷く
柊「大晦日どうしよう。僕何も考えてないよ。白戸は朱夏さんと何か考えてるの?」
白戸「しゅ、しゅか…」
恋人の名前を出した途端、微かに震える。
何かあったようだ。
柊「…朱夏さんと何かあった?」
白戸「…ぼ、僕…朱夏、に…嫌われちゃった、から…もう、だめだって、なって、その…」
ポツリ、ポツリと少しずつ喋る
白戸「…しのうって、おもって、…くろに、あんなことしちゃった…」
柊「…嫌われたっていうのは、どういうこと?嫌いって言われちゃったの?」
白戸「…喧嘩したの、」
柊「そっかぁ。でも、朱夏さんは白戸のこと嫌わないと思うよ?」
白戸「…うん」
彼は昔から兄のことを好いている。
その愛がこの短期間で冷めるわけもない。
それに、僕にも必ず連絡が来るのだ。
「今日は白戸が発作を起こしたから注意して見て欲しい」だとか、「白戸はちゃんと寝れている?」だとかよく言われる。
柊「…明日、朱夏さんに電話してみよっか。心配なら僕もついてるし。」
白戸「うん、そうする」
少し落ち着いた様子だ。
次は、次男の番だ。
次男の扱いは少し難しい。
柊「お風呂終わったよ、クロはもう入ったんだよね?」
クロ「…おう」
柊「なに、白戸のこと心配してるの?笑」
クロ「そりゃだって、心配するだろ…」
柊「クロ、おいで、」
彼に向けて手を広げる
自分より大きな兄をこの腕でいっぱい抱きしめる。
柊「…頑張りすぎ、」
クロ「別にそんな事ない。」
柊「ある!絶対!」
クロ「…」
柊「安心して、白戸はもう落ち着いてたよ。」
クロ「…うん」
柊「…今日は白戸のところで寝るの?」
クロ「…まぁ」
次男は、とある時期になると長男と一緒に寝たがる。
なぜなら、彼は過去のことを思い出し、気分が悪くなるからだ。
弟である僕を心配させたくないのだろう。
これは兄2人だけの秘密…柊は知らない、2人だけの世界…だと思っているのだ。
あんな風に白戸に甘えるクロも僕は大好きだよ。
柊「…じゃあ、僕は寝るね。おやすみ。」
クロ「…おやすみ、」