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???「あとはこの資料戻さなきゃ……」
ドンドンドンドン
???「ん?桃時ちゃんと……橙ちゃんかな?ここは神通力の気が多いから気配探りづらいんだよなぁ〜」
ここは、冥府。雨花の仕事部屋である。「紫雲雨花」は資料を片付けていた。しかし、何やらドアを叩く音がする。その音の正体は……
雨花「やっぱり桃時ちゃんと橙ちゃんだったんだ!」
桃時「やっぱりって……冥府の中でも分かるの?あんた力は相変わらずね……まぁいいわ。あんたに頼みがあんのよ」
橙「私は無理やり連れ込まれました……」
雨花「それでどうしたの?」
桃時「実は……」
「「オークションに参加して欲しいの!」」
雨花「オークション?」
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雨花「どういうこと?」
桃時「今回、あの世のオークションでアタシの大好きな「ピンキーミルキーラビット」の先着十名限定の幻のぬいぐるみが出るのよ!だから何としてでも出に入れたい!だからアタシの友達の中で一番位が高いあんたがオークションに出てくれれば、他の参加者に力の差をみせつけて手に入れることができると想うのよ!!」
雨花「へぇそうなんだ。どういう風に参加するの?」
桃時「それは、各参加者には賭けるものを用意してもらって、オークションの要でもある「ハデスの天秤」と言われる天秤に自分たちの賭けるものとオークションの品物を片方ずつに乗せる。そして、そこからオークションの品物の金額をオークション形式で上げていって一番品物より賭けたものが重かったものが勝ち取れるっていうオークションなのよ。」
橙「じゃあ賭けるものをかなり考えた方が良いですね」
桃時「賭けるものはあんたが決めて良いわ。でも……」
「「絶対勝ちなさいよ……!あ・め・かぁ?」」
雨花「す、凄まじい圧……頑張ります」
オークション当日
桃時「席が取れなかったからネット中継で観るわよ」
橙「あの……私仕事あるんですけど……」
雨花「「あの人」なら絶対大丈夫だと想うんだけどな」
橙「え?人?」
桃時「しー!始まるわよ」
とうとうオークションが始まった。
「では、第百四回。あの世オークションを開始します。今回の品物は「ピンキーミルキーラビット」の先着十名限定の特別なぬいぐるみです!では、まずこの方の賭けたものから開始しましょう!」
カーテンを開けると、そこには大きな天秤があった。そこに黒子さんが参加者の賭けたものを乗せる。
「では、オークション開始!さぁどんどん上げていきましょう!はい、最初は一万から初めて行きます!おぉ!一気に十万になった!徐々にぬいぐるみの方の天秤が下がっていく!」
オークションはどんどん盛り上がっていく。
桃時「トップバッターだったら良かったのに……オークションの熱気が上がっていくにつれ、みんな金額をどんどん上げていく。自分の懐事情にお構い無しに。トップバッターを逃すのは……結構きついわ」
橙「ちなみに桃時さんお金持ってるんですか?」
桃時「ねぇ雨花、今日はすごく天気が良いわね〜」
雨花「そうだねぇ〜」
橙「ちょっと何分かりやすく話逸らしてるんです?」
桃時「桃が食べたいわね〜仙桃が良いわね」
雨花「天国産の桃食べたいなぁ」
橙「これは……一回目で落札されないと大変ですね……」
桃時「あっ次来るんじゃない?」
橙「えぇーと……」
オークションの司会者が次の参加者へと続ける。
「次の参加者は、「紫雲雨花」さんです!……え?」
「紫雲雨花!?」「あの閻魔大王の?!」「「黒い彼岸花」と言われた……あの?」「このぬいぐるみ好きなのか……!?」
会場内がざわめき始める。
桃時「ふふっ予想通りね」
橙「どういうことですか?」
桃時「雨花のことを知らない神はそうそういない。雨花のあの青春ならぬ黒春時代を知ってるなら恐れて自分たちが買おうとはしないと踏んだのよ」
雨花「そんな野望を持ってたんだ。じゃあわたしが賭けた人には悪いことしたなぁ」
橙「あの、さっきからどうしてまるで生き物のような言い方をするんですか?」
桃時「……これって……橙みてこれ!」
桃時が少し半笑いしながら、オークション会場の映っているタブレットをみせる。
橙「あぁぁぇぇえぇぇぁぁ!?!?」
映っていたのは、
「な、なんということでしょう!!「紫雲雨花」さんの賭けたものは……?!」
???「ちっーす。俺でーす」
「死神組第一部隊隊長……」
「「瑠璃人」さんだぁぁぁぁ!!!!」
桃時「ひゃはははは!あんたってやつは本当に面白い……ぐっふふ」
桃時は、雨花の肩に手を乗せる。
雨花「いやね。橙ちゃん秘蔵n……ドックフードあげるって言ったら参加してくれたよ〜」
橙「今「橙ちゃん秘蔵の」って言いかけましたよね!?!?そしてドックフードって……嘘つくの下手すぎでしょ!!」
雨花「まぁまぁ橙ちゃん。大丈夫だよ。瑠璃くんだし」
桃時「それに元々このオークション、妖怪たちが人身売買のため使ってたオークションだから、人や神を賭けるものとして参加させても問題はないでしょ」
雨花「へぇラッキーだね!」
橙「今の言葉で一気に肝が冷えましたよ!?全然大丈夫じゃないですって!」
桃時「ふっふふ、オークション会場静まり返ってるわね」
オークションは少しのざわめきがあるが、一気にさっきまでの熱が冷めて、みんな口を金魚のようにぱくぱくさせている。
「え、えぇ、ごほん。今のところ「紫雲雨花」さんが賭けているものがぶっちぎりで重くなっています!このままだとこのまま落札になりますが……どうでしょうか?!」
みんな何も言わなくなった。そして……
「では、今回の賭けに勝った「紫雲雨花」さん!一万円で落札です!」
オークションは幕を閉じた。
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雨花「結局本来のオークションとしては破綻してたね。」
桃時「でも、安く買えて良かったわ〜定価だったら五万もするのよ?このぬいぐるみ」
橙「(こんな不細工かつ、血が被ってるぬいぐるみのどこが良いんでしょう?)」
三人は雨花の仕事部屋で、休憩している。
橙「まぁ良かったですね。欲しいものを手に入れられるのは……ところで雨花さん?」
雨花「なぁに?」
橙「瑠璃人さんに渡した動画のことですが……」
雨花「ぎくっ」
橙「「瑠璃人さんが「オレこんなに橙に愛されてんだ〜」とデレデレな顔で私に伝えてきましたが……一体どんな動画を撮影したんです?」
雨花「それは……その……橙ちゃんが瑠璃くんのお母さんに試されてる時に男の人に絡まれたでしょ?その時に言っていた言葉を……その……撮影して送りました……すみません」
橙「…………」
雨花「だ、橙ちゃん?」
橙「あなたにはきつくお灸を据える必要があるみたいですね……?」
雨花「ひぃぃぃぃ!!!!」
「待ちなさい!!!!常闇の閻魔!!!!」「そんな鬼の形相で詰め寄られたら逃げるよ!!ていうか常闇の閻魔って何!?」「妖術・【焦熱地g】」「みぃぎゃあ!!!!勘弁してぇ!!!!」
その様子をみて桃時は、「仲良いわねぇ。あんたたち」と呟いたそうな。
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雨花「ふぅ……」
チャリッ
雨花は十字架のネックレス……
「レブルキー」を取り出す
「あと次の新月で……わたしは……」
「「消えられるんだ」」
雨花は真っ黒な光も影も通さない何も映っていない目で不敵に笑うのだった。