テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#リゼロ
すず
812
41
🍙
2,338
33
コメント
1件
うわ、第72話、めっちゃ重厚でしたね……!黒龍王の「終わらせた後を考えたことはあるか」って言葉がずしんと響きました。戦いを終わらせる覚悟とその先の責任を問う王の静かな存在感がすごく印象的でした。あと、多くの将が一堂に会する光景が頭に鮮やかに浮かんで鳥肌立ちました。ここから言葉でどう決着がつくのか、続きが気になりすぎます🍙さん、今日も素敵な物語をありがとうございます✨
第72話『黒龍王』
黒龍城。
王城最上階。
巨大な玉座の間。
なおきり。
じゃぱぱ。
シヴァ。
蒼龍。
李丙。
五人は静かに扉の前へ立っていた。
李丙が深く一礼する。
「陛下。」
「お連れいたしました。」
重厚な扉がゆっくりと開く。
ギィィィ……。
広い玉座の間。
奥には一人の男が座っていた。
黒い王衣。
白髪が混じり始めた髪。
鋭い眼差し。
第22代黒龍王。
黒司(こくし)。
王は静かになおきりたちを見つめた。
「虹国の者か。」
なおきりは一歩前へ出る。
「俺たちは戦いを終わらせに来た。」
黒司は表情を変えない。
「終わらせる。」
「その言葉は簡単だ。」
「だが終わらせた後を考えたことはあるか。」
じゃぱぱが答える。
「少なくとも。」
「今みたいに国同士で殺し合う未来よりはええ。」
黒司は静かに立ち上がる。
「そう願う気持ちは理解できる。」
「私もかつては同じだった。」
蒼龍が父を見る。
「父上……。」
黒司は息子へ視線を向ける。
怒りも憎しみもない。
ただ静かな眼差しだった。
「蒼龍。」
「ここまで来たか。」
蒼龍は拳を握る。
「父上。」
「もう戦はやめてください。」
「黒龍国の民も苦しんでいます。」
黒司は静かに目を閉じる。
「分かっている。」
「だからこそ私は進み続けた。」
その時。
王城の外から鐘の音が響く。
ゴォォォン!!
ゴォォォン!!
伝令が玉座の間へ駆け込む。
「陛下!」
「蒼厳将軍率いる本軍が王都へ到着しました!」
さらに。
別の伝令が飛び込む。
「中華連合軍も城外へ到着!」
「両軍が黒龍城前で対峙しております!」
黒司は窓へ歩み寄る。
眼下には。
黒龍軍。
そして中華連合軍。
二つの巨大な軍勢。
蒼厳。
黄雷。
炎獄。
黒牙。
王翦。
桓騎。
蒙驁。
李牧。
春申君。
呉鳳明。
オルド。
中華を代表する将たちが。
すべて黒龍城へ集結していた。
黒司は静かに呟く。
「これほど多くの英雄が。」
「一つの場所へ集まるとは。」
その時だった。
城外から一人の騎馬武者が城門をくぐり、王城へ向かってくる。
李丙がその姿を見て言った。
「蒼厳です。」
玉座の間に緊張が走る。
まもなく。
重い扉が再び開いた。
蒼厳が静かに入室する。
玉座の前まで進むと。
片膝をつき、深く頭を下げた。
「陛下。」
「全軍、帰還いたしました。」
黒司は短く頷く。
「ご苦労だった、蒼厳。」
蒼厳は立ち上がる。
そして初めて。
なおきりたちと正面から向き合った。
戦場ではなく。
王城の玉座の間で。
互いの視線が交わる。
戦いの続きを始めるのではない。
ここからは。
言葉によって、この戦争の結末が決まろうとしていた…。