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第73話『王たちの選択』
黒龍城。
玉座の間。
静まり返った広間に。
誰一人として口を開かなかった。
玉座には黒司。
その傍らには李丙。
正面には。
なおきり。
じゃぱぱ。
シヴァ。
蒼龍。
そして。
蒼厳将軍。
重い沈黙を破ったのは蒼厳だった。
「陛下。」
「城外には中華連合軍五十万余りが集結しております。」
「ご命令を。」
黒司は窓の外を見る。
「……。」
その視線の先には。
黒龍軍。
中華連合軍。
両軍が武器を構えながらも、まだ動いてはいなかった。
黒司は静かに言う。
「蒼厳。」
「お前は、この戦をどう思う。」
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蒼厳は少しだけ考えた。
「勝敗だけを申し上げるなら。」
「黒龍国にも勝機はあります。」
「ですが。」
「その代償は計り知れません。」
李丙も続ける。
「陛下。」
「これ以上戦えば。」
「黒龍国も中華諸国も深い傷を負います。」
黒司はゆっくり頷いた。
その時。
玉座の間の扉が開く。
入ってきたのは。
王翦。
李牧。
春申君。
呉鳳明。
蒙驁。
桓騎。
オルド。
各国を代表する将たちだった。
王翦が一歩前へ出る。
「黒司王。」
「我らは最後の話し合いに来た。」
黒司は静かに見つめ返す。
「もし私が断れば。」
桓騎が笑う。
「その時はまた戦うだけだ。」
蒙驁が苦笑する。
「お前さんは少し黙っとれ。」
場の空気が少しだけ和らぐ。
その様子を見て。
じゃぱぱが小さく笑った。
「やっと。」
「戦う以外の話ができそうやな。」
黒司はその言葉を聞き。
しばらく目を閉じる。
やがて。
ゆっくりと口を開いた。
「私は。」
「黒龍国第二十二代王、黒司。」
「この国を守るために剣を取った。」
「だが。」
「民を守るはずの剣が。」
「民を苦しめる剣になってしまった。」
蒼龍が父を見つめる。
黒司は息子へ微笑んだ。
「すまなかった。」
短い謝罪だった。
蒼龍の目に涙が浮かぶ。
その時。
城外で兵士たちがざわめき始める。
両軍が。
何かを待っている。
黒司は玉座から立ち上がる。
「行こう。」
「王として。」
「私自身の言葉で終わらせる。」
黒司。
蒼龍。
李丙。
蒼厳。
なおきり。
じゃぱぱ。
シヴァ。
そして各国の将たち。
全員が黒龍城の城壁へ向かって歩き始めた。
城門の向こうでは。
数十万の兵士たちが。
王の言葉を待っていた…。
コメント
1件
うわあ…この重い空気感、めっちゃ伝わってきたわ。 黒司が「民を守るはずの剣が、民を苦しめる剣になった」って自覚するところ、グッときたね。王としての決断を息子に詫びる短い謝罪も、キャラの人間臭さが出てて好き。 数十万の兵が言葉を待ってるラスト、次の展開が気になりすぎる🔥 戦じゃない決断、どう着地するんだろうな。