テラーノベル
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マネージャーに送ってもらい、車がマンションの前で止まった。
「大丈夫?」
マネージャーが少し心配そうに言う。
涼ちゃんは小さく頷いた。
「大丈夫ですよ」
「今日はちゃんと休んでください」
「はーいありがとうございます」
軽く手を振って車を降りる。
目の前には、自分が最近住み始めた 高層マンション。
まだ慣れていない景色だった。
エントランスを抜けて、エレベーターに乗る。
体が重い。
頭もぼーっとする。
ポケットから鍵を出して、部屋のドアを開けた。
ガチャ。
中は、しんと静かだった。
涼ちゃんは靴も適当に脱いで、そのまま部屋へ入る。
バッグを床に置いて――
そのまま ベッドにダイブした。
「……はぁ」
布団に顔を埋める。
一気に、疲れが押し寄せてくる。
レコーディング。
みんなの顔。
元貴に熱を指摘された瞬間。
全部が一気に遠くなる。
(ちょっとだけ寝よ…)
そう思った瞬間、意識が落ちた。
――次に目が覚めたとき。
部屋は暗かった。
「……ん」
体を動かすと、まだだるい。
時計を見る。
夜だった。
結構長く寝ていたらしい。
静かな部屋。
窓の外には、夜の街の灯りが見える。
高い場所から見える東京の景色。
でも。
部屋の中は、誰もいない。
涼ちゃんはぼんやり天井を見る。
(……一人だな)
ふと思う。
まだ上京して、そんなに時間が経っていない。
この部屋も、まだどこかよそよそしい。
実家なら、
熱を出したら母親が来て、
「大丈夫?」って言って、
おでこに手を当ててくれる。
でも今は。
誰もいない。
涼ちゃんは布団を少し握る。
体が弱っているせいか、
胸の奥がじわっと痛くなる。
「……はぁ」
小さく息を吐く。
寂しいなんて、普段は思わない。
でも。
熱があるときは、少し違った。
静かな部屋の中で、
涼ちゃんは目を閉じる。
そして気づいたら、
目から 涙がこぼれていた。
「……っ」
声は出さない。
でも。
静かに、ぽろぽろと涙が落ちる。
誰もいない部屋で、
涼ちゃんは少しだけ 寂しくて泣いてしまった。
コメント
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りょうちゃん…😭😭
#ご本人様には関係ありません