テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#幽霊
凛道桜嵐 新
193
#日常
がくじゅつてき・あかげ
22,155
わーい
41
485
日曜日。和泉は早起きして朝ご飯を食べて、咲さんとの待ち合わせ場所まで出かけていった。使う車がでかいから、家の前の路地まで入りにくいんだって。
で、ワシは企んでたことがあった。あいつが咲さんとのデートうまく出来てるかどうか、見張りに行く!
和泉は、咲さんの趣味本売るの手伝うだけ、まだ付き合うんだか付き合わないんだかわからない、みたいにごにょごにょ言ってた。でも、宣伝も護衛も頼まれるなら実質デートだろ! 悪くない感じなんだから、絶対うまく行って欲しい。
といっても、本当に遠くから少し様子見るだけにするけど。
和泉があんまり馴染みのない格好で行こうと思ってたけど、咲さんに会っちゃう危険もあるから、和泉も知ってるムキムキの男の格好で行くことにした。
和泉が車に乗って少ししてから、ワシも家に鍵を閉めて出かけた。駅まで行って、電車に乗って、スマホの地図を頼りに大田区の産業プラザってところに行く。
横浜駅で京急に乗り換えて、蒲田駅で降りれば割とすぐだった。見慣れない町並みをきょろきょろしながら歩く。しばらく歩いて、本当に大きな、何かの会場みたいな建物についた。ここの1階か。
まだ開く時間じゃないみたいで、どうしようかなと思いながら建物の周りを一巡りしてたら、警備員さんに「すみません、施設が閉鎖されている時間のご来場はご遠慮ください」と注意されてしまった。
『あ、ごめんなさい。いつ頃開く?』
「施設は8時ですが、今日の[男の♡娘・女装子オンリー]は10時からですね。あ、でも9時から入場パンフは売り出しますよ」
男の子じょそこおんりー? どういう意味だ? えーと、咲さんはメンズメイクの本を売るんだから、男向けだから、男の子向けで合ってるのかな? 入場パンフってなんだろう?
『入場パンフって何?』
「入場券代わりのパンフレットですね。買わないと今日のオンリーには参加できません」
『へえー』
趣味の本売る会って、そういう仕組みなのかあ。
『教えてくれてありがとう、時間になったらまた来る』
「いえいえ、楽しんでください」
警備員さんは愛想よく笑った。
そういう訳で、ワシは蒲田駅に戻ってカフェで時間を潰して、もう一度産業プラザまで来た。
人の流れに乗って中に入って、ワシは仰天した。展示ホールのでかい看板には[男の♡娘・女装子オンリー]とピンクで書いてあった。周りにいた華やかな格好の女の子たちは、よく会話を聞くとみんな声が低かった。
え……え!?
男の……メイク……え、男がする女装のメイク!?
コメント
1件
あらためて千歳視点ってだけでテンション上がるわ〜!和泉のデート(仮)をこっそり応援しに行く善意のストーカー、かわいすぎるだろ。しかも着いた先がまさかの男の娘オンリーでポカーンってなる流れ、草。千歳の「えっ」が脳内で再生されたわ。咲さんが何者かますます気になるし、このオチで終わられると続きが気になって仕方ない🔥