テラーノベル
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目が覚めると、また。
またあの声だ。
「仁人? おーい、生きてるか?」
俺は返事もできず、ただ布団の中で震えていた。
四度目の三日前。
「…仁人? 具合悪い?」
勇斗の手が、俺の額に触れる。
その温かさが、かえって残酷に感じて、俺はあいつの手を振り払った。
『触るな…っ』
「え?」
驚いたような勇斗の顔。
ごめん。
お前を拒絶したいわけじゃない。
ただ、もう、勇斗を失う感覚を思い出すのが耐えられないんだ。
俺は幽霊のような足取りでリビングへ向かった。
そこには、太智、柔太朗、舜太がいた。
「お、仁ちゃんやっと起きた笑珍しいなぁ笑」
「おじゃましてるよー」
明るい声。
俺はこいつらの顔をまともに見ることができず、ただ黙って隅に座り込んだ。
四回目。
俺はこれまでの失敗を分析した。
外に出せば事故に遭う。
家にいさせれば突発的な病気や不慮の火災に遭う。
物理的に守ろうとすればするほど、死神は形を変えて襲ってくる。
なら、どうすればいい?
どうすれば、勇斗は明日も笑っていられるんだ?
三日間の猶予なんて、地獄のカウントダウンに過ぎない。
俺は三日間、ほとんど食事も取らず、寝ることもせず、ただ勇斗の影のように後ろをついて回った。
あいつが何を口にするか、どこに足を置くか、空から何が降ってこないか。
血走った目で周囲を警戒する俺を見て、メンバーたちは明らかに異常を感じていた。
「仁ちゃん、一度ちゃんと話そ。今のままじゃ仁ちゃん壊れちゃうよ」
柔太朗が、静かに俺の肩に手を置いた。
『…離せ。壊れていいんだよ、、勇斗が助かるなら、俺はどうなったっていい』
「どういう意味…?」
『…。』
俺の返答は、もはや正気のものではなかった。
きっと何も知らないこいつらからしたら、俺の言動はきっと異常な人間として映っているだろう。
四度目の運命の日。
俺は、今までの経験から「最も確率の低い死に方」を必死に探していた。
だが、俺の心はもう限界だった。
何をしていても、目の前の勇斗が突然崩れ落ちる幻想が見える。
あいつが笑えば、「この笑顔があと数時間で消える」と思い。
あいつが歩けば、「この足が動かなくなる」と震える。
勇斗は、そんな俺を悲しそうに見つめていた。
「仁人。俺、お前のこと、こんなに苦しませたくないよ」
その言葉の意味を、この時の俺はまだ深く理解していなかった。
ただ、死なせないこと。
それだけに執着して、俺はまた、長い三日目の夜を迎えようとしていた。
to be continued…
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コメント
3件
いつもこっそり見ています。。😢ほんとに毎回お話がすごすぎて憧れてます🥹🩷続き楽しみです🙀