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#普通
野々さくら
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ありあ
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すると、誰もいなかったはずの空間に、突如として小さな少女がふわりと姿を現した。
「信愛〜♬」
少女は嬉しそうな笑顔のまま信愛へ駆け寄り、そのまま勢いよく抱きつく。
信愛も優しく抱き返し、目を細めた。
「久しぶりだね佳苗、元気してた?」
少女はにこにこと笑う。
「うん♬元気だったよ♬」
そして悪戯っぽく首を傾げた。
「あ、でも死んでるから元気はおかしいかな♬」
その一言に、茜が思わず吹き出す。
「きゃはは♬佳苗ブラックジョーク過ぎ♬」
佳苗は嬉しそうに皆へ手を振った。
「茜もさくらも焔垂も久しぶりだね♬」
「久しぶり♬佳苗♬」
さくらも笑顔で手を振り返す。
焔垂は苦笑しながら肩をすくめた。
「まぁ、俺は関わり薄かったけどな」
美月だけは状況を飲み込めず、目を見開いていた。
「え?どこから来たの?その子・・・」
突然現れた少女に、美月は驚きを隠せない。
一方、朝陽は少女を見つめながら首を傾げる。
「あの・・・その子って誰なんですか?」
茜は当然だと言わんばかりに答えた。
「何言ってんのよ!佳苗じゃん!佳苗!」
さくらも不思議そうに続ける。
「朝陽くんってば忘れちゃったの?」
朝陽は困惑した表情で首を横に振る。
「いや誰ですか?僕知りませんよ?」
信愛はようやく事情を思い出し、小さく頷いた。
「あ、そっか!そう言えば
朝陽くんは 佳苗と会った事無かったね」
茜も納得したように笑う。
「あ、そう言われればそうだったね」
朝陽は佳苗を見つめ直しながら口を開く。
「それにその子、今死んでるからって
言ってましたよね?どういう意味ですか?」
信愛は佳苗の頭を優しく撫でながら答えた。
「ああ、実はね。佳苗は私が前に除霊した霊なの」
朝陽の目が大きく見開かれる。
「じょ、除霊した霊!?」
美月は目の前の少女と信愛を交互に見つめ、言葉を失っていた。
「何・・それ・・・」
信愛は佳苗の肩にそっと手を添え、静かに頷く。
「でも訳あって、あの世とこの世を
自由に行き来できるようになっちゃったの」
朝陽は思わず息を呑む。
「嘘・・・そんな事って」
その戸惑いをよそに、佳苗はにこりと笑ってぺこりと頭を下げた。
「はじめまして♬佐藤佳苗です♬5歳(享年)です♬」
その無邪気な挨拶に、朝陽は慌てて立ち上がる。
佳苗につられるように深々と頭を下げた。
「あ、いや、こちらこそ・・・」
緊張で声を震わせながら名乗る。
「は、はじめまして・・・
浦添朝陽です・・じゅ、16歳です・・・」
美月だけは黙ったままだった。
目の前で起きている出来事を理解できず、ただ佳苗の姿をじっと見つめている。
その沈黙を破るように、信愛が静かに切り出した。
「美月先生は、10年前に起きた佐藤佳苗ちゃん
育児放棄事件って知ってますか?」
美月はゆっくりと信愛へ視線を向ける。
「育児放棄事件?」
信愛は重々しく頷いた。
「5歳の女の子が、自宅で餓死してる状態で
発見されて、胃の中に大量の
ティッシュが入っていたって事件です」
美月の表情が曇る。
「胃の中にティッシュ?」
しばらく記憶を探るように目を閉じ、やがて小さく息を漏らした。
「ああ・・・そう言えば昔あったわねそんな事件
一時期は連日メディアで騒がれてたわよね」
信愛は静かに佳苗へ視線を向けた。
「その被害者がこの佳苗なんです」
美月は目を見開く。
「うっそ・・・」
まだ信じられない様子で首を横に振る。
「いや、そんな事って・・・」
美月は震える手でスマホを取り出した「佐藤佳苗ちゃん育児放棄事件」と検索する。
そこには当時報道された被害者の顔写真が掲載されていた。
画面の中で微笑む幼い少女。
その顔は、今まさに目の前で無邪気に立っている佳苗と寸分違わなかった。
「あ・・・」
美月の唇から小さな声が漏れる。
「え!?本当に!?」
信愛は静かに頷く。
「信じれないと思いますけど
これは真実なんです」
美月は開いた口が塞がらないまま、佳苗を見つめ続ける。
やがて恐る恐る口を開いた。
「でも、この子が本当に事件の被害者だったら──」
息を飲み込む。
「すでに亡くなってるって事になるわよね?」
そして、震える瞳で佳苗を見つめた。
「それなのに何で私に視えてるの?」
朝陽も動揺を隠せず、何度も頷く。
「そ、そうですよ・・僕にも視えてます」
自分の手を見つめ、信じられないというように呟く。
「僕、霊視なんて出来ないのに」
信愛は二人の反応を見渡し、小さく息をついた。
「それなんだけど──」
コメント
1件
おお、佳苗ちゃんが再登場!しかも享年5歳の霊って、あの育児放棄事件の被害者だったんだ…。胃の中のティッシュの描写がすごく胸に刺さる。でも本人は無邪気な笑顔で「死んでるから元気はおかしいかな♬」って言うから、そのギャップが切なくて。信愛がどうして彼女をあの世とこの世を行き来できるようにしたのか、その“訳あって”の部分がすごく気になるな。朝陽と美月が困惑するのも当然だよね。この先どうなるんだろう…続きが待ちきれない!