TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

一覧ページ

「転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。」のメインビジュアル

転生した少年は三歳から冒険者生活始めました。

10 - 第10話 レア薬草を採取して帰り道。オーク討伐に参加しちゃったけど、怒られるかなぁ。

♥

14

2023年12月29日

シェアするシェアする
報告する

それから三十分近くは走ったかな。

やっと現地に到着した。とりあえず、喉の渇きを解消してから、探索することにした。


<サーチ・コーリンの実>


ポポポポポポ……

少し離れた場所にかなりたくさんありそうだ。

実だから大きな木になってるのかと思ったら、高さの低い細い木に実が付いているみたいだ。既に落ちているものはダメで、直接実を取る必要があるらしい。残りの数は気にしなくて良さそうだね。たくさん子供が付いてるから。

お願いね、とフラットに頼んで、立ったままで実をもいで行く。高さがちょうどいいのはラッキーだ。背の高い人なら大変だろうな。


それから二時間実を取りまくって、お茶の時間はサンドイッチを手に二人で紅茶を飲んだ。

できれば今日は魔物に襲われることなく終わりたいな、と再び採取に戻った。

十一時ころまで頑張って、群生地の半分くらい。

どうしてレアものなんだろうね。


<鑑定>

コーリンの実:希少種 魔物が多い場所に生息している 魔物の好物 捕食すれば回復力が上がる 同時に肉体強化もできる 切り傷などはすぐに治ってしまう



これ、誰でも欲しいでしょ。でもどうやって食べるのはわからないから無理かな。

まあ、おいおい調べるとして、今は採取だ。


採取し続ければ、あっという間に昼になったので、いつものように肉を焼く。肉肉肉のオンパレードだ。俺も一枚食べて、フラットは分厚いのを三枚食べた。一枚一キロくらいはあったけどね。

パンと肉を交互に食べてスープも飲んだ。それだけでお腹いっぱい。残りのスープとパンをかじっているのはフラットだ。


やっと食事が終わり、夜のフラットの肉も焼いたぞ、と皿にもった肉をアイテムボックスにしまう。食器はきれいにクリーンして食器を入れる箱に入れた。ヤカンもしまって、やっと冷えた焼き網もスタンドも片付けた。

終わった、とたき火のあとを土魔法で掘り返して埋めていれば、グルルル~とフラットが唸り出す。

見れば、サンドウルフだね。本物初めて見た!

これは魔石しか取れないかもね、と笑いながら狩ってゆく。フラットもあっという間に終わらせてくれた。

あっけなかったな、本体はどうするかな。鑑定してみれば、毛皮と牙が売れるらしい。じゃあ、そのままいれるかな。

全部回収して、数を見れば二十一頭だった。


ふん、これで終わればいいんだけど。

そんなことを思っていれば、どうやらフラグを立ててしまったらしい。ガサガサと音が聞こえて何かが近づいてくる。

振り向けば、デカいカニだ!

これ、サンドクラブとかいうやつだね。これも初めて見たよ~

どうやって倒すかな。とりあえず水刃を繰り出してみれば、問題なく脚は切れる。じゃあ、風刃はどうかな。

うん、問題なく切れるよ。

でもこれ、何になる?

鑑定してみれば、殻は防具になるみたい。肉は食べられる。これってカニでしょ? それならカニ鍋とかになるかな。

かなりの大きさだけど、どうなんだよ。甲羅は、縦横三メートル以上ありそうだ。

さて、脚を切り落としてひっくり返してみれば、うん、カニだね。

ナイフを口元に突き立てて見れば、泡を吹き始める。でも死なないね。じゃあ、と腹のギザギザを少しめくってそこにショートソードを突き立てた。

ぎぃぇぇぇぇぇー

変な声が聞こえるんだけど、どうやら動かなくなった。もういいかな、と手で触れてみればアイテムボックスに入ったので死んだんだね。


ふぅ、と息を吐けば、くわぁん! とフラットが俺を呼ぶ。

なんだ、と振り返れば、デカいタランチュラみたいな蜘蛛だ。八本ある脚の先は、鋭く尖っていて、大きな腹には何が入って入るんだろう。

糸を吐くのかと思えば、何かの液体を飛ばしてくる。さっと避ければ、地面に落ちたそれは、じゅうっと紫色の煙を上らせた。これは酸のようなものなのか?

「フラット! その液体には絶対に当たるなよ。どうやら酸だ。あたったら溶けるぞ!」

くわぁん! と尻尾を振るのだが、フラットなら簡単に避けてしまうだろうね。

さあ、こいつはどうやって倒そうか。魔物図鑑には載ってなかった気がする。岩場にいるでっかい蜘蛛なんて、聞いたことない。これは剣じゃなく、魔法の方がいいだろう。

それなら、といつものように指拳銃だな。


<氷の弾丸>


バン! と呟けば、ブシュッと何かがタランチュラに命中する。

でも息の根を止めることはできていない。それならどうするかな。

バン! と言えば氷の矢がシュッと飛んでいった。今度は顔の真ん中に命中した。

ぐらりとゆれたタランチュラだけど、まだ死んではいないみたいだね。

それじゃぁ、と連続でたたき込むことにした

バン! バン! バン! 氷の矢を三本連続で飛ばして、全て命中したが、頭はなくなっちゃった。よかったかな。

ドドーンと倒れた蜘蛛は、脚を身体の中心にまとめるように転がっている。これ、おんなじだ。前世で殺虫剤を吹き付けて蜘蛛を仕留めたときのことを思い出した。

ふぁふっというフラットに、そこにいてね、と伝えてゆっくり近づいてゆく。

そーっと脚に触れるけど、全く動かない。それどころか、シュンとアイテムボックスへ吸い込まれてしまった。

ああ、よかった。

これ以上、ここでの採取はしんどいな。アイテムボックスの中身を確認してみれば、コーリンの実が三百個以上あった。

残りを取れば五百はいくかな。でも、どうするか。

あたりを広範囲で探索するけど、今のところ魔物の気配はない。

それなら取ってしまおう。

決めたら即行動だ!

「フラット、残りを全部取るから、探索を頼むね」

くわぁん! と請け負ってくれたので、俺も広範囲を探索しながら両手で実を取りまくった。

プチプチと音がするほど頑張ってとって行く。箱に一杯になったらアイテムボックスへ放り込むを繰り返す度、ドキドキが増して行く。ヤバい、少し急ごう。

それから一時間、なんとか群生地の全ての実を採り尽くした。

本来ならお茶をという時間だけど、フラットは身体を下げて待ってくれている。

飛び乗った俺を確認したあとのフラットはすごかった。

ビュンビュン風を切る音が聞こえるほど早い。

もう少しで街に入るから大丈夫だろう、と脳内マップを確認すれば、少し西にそれれば、もっとギルドに近い所から街道におりて行ける。草原の方に走るということになるけど、なるべく早く戻りたい。


フラットに言えば、街の手前で左に折れる。森の方へ向かう草原へと駆けてくれるんだ。

うん、こっちの方がいいよ、絶対。

これならスピードを限界まで緩めずにすむんだから。

脳内マップにポイントが増えてゆく。

こうやって実際に走ってマップを作っているから正確だ。


そろそろ草原の上に出るな、と遠見を使えば、あと数分だなと探索する。広範囲に探れば、誰かが、違う、たくさんの人が戦っているみたい。

フラットも気づいたようで、草原の上に到着する直前でゆっくりと歩きはじめた。

森の入り口が見えて来た頃、誰かが森から転げ出てくる。

「た、助けてー! 誰か、助けてくれ! みんな、みんながやられちまう!」

どういうことだ、とフラットと先に進んでみる。

倒れている冒険者は、見たことのある顔ばかりだ。酷いケガをしている。それなら、とフラットと一緒に皆のところに駆けつけた。

「大丈夫ですか! 治療しますから、そのままでいて下さい」

「ナギくん。悪いな、治療できるのか?」


<ヒール>


ぶわっと光った冒険者たちは、驚いている。全てのケガが治ったからだ。

なにがあったのかと聞いてみれば、オークの集落を殲滅に行ったと言う。最近オークが多くて、民家まで来ることがあったらしい。

ふむ。オークなら大丈夫かな。

残りは、ときけば、そろそろ数頭森から出てくると思うと知らされた。

「フラット、皆を守ってね。もし、皆が森に戻るなら、お前はオーク狩りの手伝いを頼む。僕は先に行くよ」

くわぁん! といったフラットは冒険者たちの前で探索をはじめた。

ナギくん、危ないから止めろ! と聞こえたけど、俺は既に新しいスキル「俊足」で駆けていた。

森の入り口に入ろうとしたとき、探索の網に引っかかったのは、防御しかできていない冒険者たちだ。オークはかなり大きい。これは、魔法の方がいいかな。

とりあえず、と近くまで行ってみれば、手前で倒れている人がいた。今にも右腕が取れそうだ。


<ミドルヒール>


ぶわ~っと光ったその人は、傷も治ったし、取れそうな右手も繋がったけど、血がたくさん出たんだろう、倒れてしまった。

魔法だと冒険者がいれば危険だ。それなら、と観察すれば、ほとんど無傷のオークたち。それも八頭いる。残りはもっと奥で戦っているみたいだ。

じゃあ、行くしかない。

そう決めて再び駆け出した。

「ナギです! 参加します!」

大丈夫か、ナギ! と聞こえたので、大丈夫と言って最初のオークの肩に乗って首を切り裂く。おお、身体強化すごいぞ。

ドドーーンと倒れたオークを放って、次だ。

二頭が俺に向かってきたけど、指拳銃で氷の矢を繰り出す。鳩尾を突き刺した氷の矢は、獲物の息を止めた。

次は、と奥を見れば、俺に背を向けている。

それなら、こうだ!

足首の腱をショートソードで一気に切り裂く。両足首は切り離された。結果、倒れたオークの首元に駆け上がりトドメを刺した。

次! その奥には小さな集団がいる。

どうやら冒険者がその中にいるようだ。助けて! と声が聞こえて、ギャーと叫んでいる。

急がなければ、と俊足で近づいて一頭の両足首を切り離す。隣りにいたやつもついでに両膝裏を切り裂いた。

当然のように動けなくなったオークを放っておいて、その前に向かう。横並びになってるやつらを一気に片付けようと横に回って、風刃で頭を落としていった。

一気に四頭が倒れたので、奥を見れば冒険者が二人大けがをしている。

ここで剛力と俊足のスキルを使い、一瞬でかけより、オークの目の前で二人を抱えて元の位置よりも後へ戻った。そこには治療した人が転がったままだ。


<ミドルヒール><ミドルヒール>


明るく光る二人を横たえて、フラット! と叫んだ。

すぐにやってきたフラットに、三人をさっきの人たちのところへと頼んで、俺は引き返した。


奥にはまだいるはずだ。

さっき二人を救出した場所では、オークが戸惑っている。今なら、と魔法を使うことにした。


<風刃>


シュッと飛んだ風の刃は、オークたちの腕や脚を切り落としてゆく。そのあと、氷の指拳銃だ。

バンバンバンバン! それぞれ、左胸をめがけて氷の弾丸を撃ち込んだ。魔力を多めにしたから、少しは威力が増したかな。

見事に倒れたオークは、邪魔なだけだ。

それなら、と魔法で回収できないかと考える。


<討伐オーク回収>


シューンッ! と数体のオークがアイテムボックスに消えた。というか、確認すれば入ってた。

おお、すごい。これは便利だ。


じゃあ、と奥を確認すれば、ショルダーさんが見える。左腕に傷があるようだ。

魔法使いは木の陰に隠れて大きく肩を揺らすほどだ。

皆剣で戦っているけど、今俺が駆け込んでもいいものか。

近くまで行って、魔法使いにヒールをかける。

「えっ? ナギくん?」

「はい。薬草採取の帰りです。偶然見たので放っておけませんでした。えっと、森の入り口近くにフラットが数人を保護してます。そこへ行ってください。オークは全部狩ったのでいませんから。気をつけて!」

でも、魔法使いが、というけど、俺も魔法を使うから大丈夫だと立たせて背を押した。


何頭いるんだろう、とオークの頭を数えれば、うん、ちょっと多いよね。

じゃあ、間引きますか。

後ろで、まるで順番を待っているように見えるオークを狙う。おこぼれに預かろうってか。


<風刃・水刃>


思っただけで魔法が発動する。

シュバババ! っと飛んでいった刃が、後で控えていたオークを切り裂いてゆく。水刃は胴を真っ二つにしている。

おお、すごいな。

ドスンドスンドスン……倒れていくオークは結構いるね。

「ショルダーさん! 皆下がって下さい。魔法使います!」

ナギ? と大きく振り返ったが、撤退する! と皆を下がらせてくれた。


<水刃>


魔力を多く込めた水刃を放てば、全てのオークの首や胴、脚などを切り裂いていく。

ドスンと倒れたオークと腕を切られて怒りをあらわにするオーク。

僕は、そのまま俊足で腕を切ったオークの肩にジャンプした。そして首元にショートソードを当てて思い切り引く。

同じように、首や胴が離れてたやつ以外は、全てトドメを刺した。


<討伐オーク回収>


シュン! と消えたオークだけど、広範囲探索で探れば、二頭逃げているのがわかる。

フラット! そう呼べば、くわぁん! と聞こえて、ザザッと走ってくるのがわかる。

振り返って皆を治療する。


<ミドルヒール><ミドルヒール><ミドルヒール>


広範囲で三回かけたから大丈夫だろう。

「皆さん、森の入り口に他の人がいますので、そこまで行ってください。動ける人は?」

どうした、とショルダーさんが聞くので二頭逃げているからと言えば、俺も行くと言ってくれる。たくさんいても仕方がないので、他の人には入り口まで戻ってもらうことにした。

「フラット。あの三人も無事だね」

ふぁふっと鳴いたので問題ないだろう。

「じゃあ、僕とショルダーさんを乗せてくれるかな。二頭逃げてるんだ」

くわぁん! と身体を下げてくれたので、俺の後にショルダーさんが恐る恐る乗っかった。

じゃあ、行こうか。そう言えば、フラットも位置を確認したみたいで、そのまま走り出した。

loading

この作品はいかがでしたか?

14

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚