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第3話




※「(セリフ)─」のダッシュは次セリフ言う人がダッシュ線ついてる人の言葉遮ったときです※








「ヘレーン!」

稽古場の玄関先にいたのはローラ。

「はーい」

「あんた、なにやってんの!?

今日副店長(以下ゴリラと記す)の当番よ!?」

そう、実は私が今働いているところは演劇の他、居酒屋をやっている。

今日は居酒屋と演劇団、ダブルの日だ。

「は、はあああああ!!?」

「きょ、今日ってあのゴリラの番!?」

‘‘あのゴリラ”…とは、ローラが言っていた通り居酒屋のゴリラである。

アイツ、何かと私とローラがやる事やることにネチネチと嫌味言ってくるんだよなー

あー思い出したらムカついてきたー。

「ヘレン早く行くよ!?開店2時間半前から行かないとめっちゃ怒られるって!!!もうすぐ2時間半前だよ!!」

いつもゴリラの当番は開店2時間半前に行かないとしばかれるので物凄く焦っているローラ。

そしていつも(神的存在の店長が当番の日)は30分前より後か前に行っていれば準備までに間に合うので、ゴリラはただ単に厳しいだけなのよ。

「分かってるわかってる!ダッシュでしょ!!?」

「そのとーり!!」

そう二人で賑やかに稽古場を離れた。

これから地獄が待っているのだろうか…



居酒屋の立て付け悪い扉を開けると、右上にくっついている古錆びたベルの音がカラカラ鳴る。正直音が大きくて耳が痛いわ。

壁に貼り付けられている時計の針は10時30分を指している。

営業時間は午後1時……だが、

ゴリラ担当の日は何時間か前に来ないとシバかれる。

そんなことを思っていると、ゴリラと目があった。

私は目をすぐに逸らし、その次はローラと視線がぶつかった。

私は目のみでローラに合図を送る。

ローラは私が伝えたい事が分かったように小さく頷く。

「(3、2、1)」


「「お、おはようございまーす」」

「テメェら……30.8秒遅れてるぞ」

鬼の形相でこちらを睨んでいる。

絶対に怒ってるじゃん(泣)

てかなんでそこまで細かく分かるのよ。絶対テキトーじゃん。

イマドキそう細かい時計なんてないんだから。

「あ、あはは、ちょーーっと演劇の方が長引いちゃって!」

とローラがカバーする。

「演劇の方?んなもん関係ねぇよ。」

「『遅くなったら走る』これ前言っただろ。」

だから、それが無理だったからちょっと遅れたんじゃん。

「つーか、まだ営業時間2時間半前なので30秒くらい遅れても大丈夫なのでは?」

「ちょヘレン!?」

しまった。私としたことがついついついつい口が滑ってしまった。

私の言葉にローラは凄く驚いている…というか焦りまくっている。ごめんよ。

「ヘレン………今俺に逆らったか?」

あ、そういやこいつ人に意見言われるの嫌だったよな。

「あーーー、、ごめんなさい。ちょっと思ってもいない事を言ってしまいました。わざとではないです。」

と、必死で誤魔化す私。

この言葉を言ったあと、ソイツは私の地雷を踏んだ。

言い訳すんな、ロクに仕事も出来ねぇ病気のジジイしか持ってねえ何も出来ねぇクソ女がよォ

ゴリラは私にゴミを見るような目を向け、そう言い放ちやがった。

「なっ…」

コイツッ…私はともかく父さんの事悪く言いやがって…

「わ、私が意見言ったのは謝ります。

ですが─」

「黙れェッ!!!!」

ゴリラが私の言葉を遮り、地鳴りするような大きい声で怒鳴った。

「ひぇぇ…」

ローラが私の右隣でめっちゃくちゃ怯えて、私の右袖をめっちゃくちゃ掴んでいる。

「ヘレン…ここはちょっと逃げた方が─」

「ローラちょっと黙ってて」

その時、ローラは小さな声で呟いた。

「は。殺されるわよ?包丁すぐそこに置いてあるし。前も殺されかけたじゃない。」

「最悪そうなったら逃げるわ。ドア開ける準備だけはしてて。」

「何をコソコソと話してやがる。俺が話してる最中だろうが!!!!」

そう言い、ゴリラがゴリラの如くカウンターに大きい音を出しながら叩いた。

(後に知った事だけど、読んでいる貴方の世界では‘‘だいぱん”と言うのね。)

ゴリラがカウンターをぶっ叩いたせいで、ローラは更に怯えたようだ。

「わっわわわたし!!ちょっと!!体調!!悪いんで!!早退!!させて!!いただきます!!では!!ヘレン!!健闘を祈っとくわ!!!」

バタンッ、と閉まる店の立て付けが悪いドア。

神隠しの如く、姿が見えないローラ。

呆気に取られる私とゴリラ。

…ヤツはあまりの恐怖に耐えきれなかったのだろう。

逃 げ や が っ た

あいつ、あいつ逃げやがったぜ?

私死んじゃうぜぇ?

はっはっはっ。

これじゃ、ゴリラの怒りが私に全部降り掛かって来るじゃないの。

「ヘレン…」

「ひゃーい」

「覚悟は出来てるだろうなぁ…?」

やっぱり誰か助けてえええ!!!

一人は怖いよおおおっっ!!!!



第4話に続く──☆





あとがき


やーっと第3話書き終えました。えへ。

大変長らくお待たせしてしまって申し訳ないです…

おまけに新連載も溜まりに溜まって爆発寸前。

リアルの方も大変忙しく、連載の管理も大変忙しく。

あー、私ったら偉い偉いー

…現実の話は置いときまして、今回の話の事でも話しましょうか。

えー今回後半以外なんかおもんなかったですよね。あはは。

まさかのローラが裏切り…

あ~〜〜酷い。(書いてる人がなんか言ってますよ)

そういえば書いてる人が、で思い出したのですが自分で書いたゴリラがゴリラの如くの所がツボです。笑

あ、いつの間にやら2300文字超えちゃってるので今回はお別れにしますか。

次回もお楽しみにー


投稿日 2023/03/28 16:49:35

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