※少しばかりのグロ注意
ローラが逃げたせいとその他で、ゴリラから出てくる怒りが全て私に降り注ぐ。
いつもならローラと一緒にゴリラをなだめるのだけれど。
今回は一人で、私を置いて、逃げたのよ!!!
今度会ったらふっ飛ばしてやる。
エヘンヘレンオホン、大変失礼。
心の声が出しゃばってしまいました。
ま、というわけでゴリラに殺されそうなのです。絶対絶命……
「お前が言ったこともういっちょ全部俺に言ってみろや。あ?」
顔近い顔近い。近付けてくんな脂ギッシュゴリラめ。
この店の数少ない油を顔に塗りたくったのかしら。
ここはもう言いたい事思い切り言って逃げようか。えぇ。そうしましょう。
「ゴr……副店長はいつも厳しすぎます。というかなんで営業時間2時間半前になんか来なきゃなんですか。ここは下準備にもあまり時間が要らないし、簡単な作業だけですよ。 そして自分の思い通りに行かなかったら包丁で脅すとか前代未聞。ありえないですよ」
私がこれまで溜め込んできたモノを一気に言い終わったその時、ゴリラの顔はみるみる真っ赤に染まっていった。
「テメェ…殺すぞコラァァァァァ!!!!!!」
ゴリラがゴリラの如く雄叫び(笑)を上げるのと同時に、横のキッチンにある料理道具の包丁を本能(ノー人間イエスゴリラ)のままに握りしめ、私の方へ振りかざしてきた。
ああ、足が動かない。逃げろ。動いて私の足。ヤバイ。怖い。言い過ぎた。我ながらバカな死に方だこと。
─とうとう私の目前まで包丁が迫ってきた時、おそらくローラであろう声が私の耳に木霊する。
それと同時に、私からして右下の方から気持ちの悪い音がした。
「お前…コラァァァァァ!!!!!」
そして店長という名の神様の声がしたような気がする。
とうとう幻聴まで聞こえるようになったようだ。
「て、てててて店長!?うそ、店長…」
「よくもまぁやってくれたな!!?!って、ファーーーッ!!!⁉可愛いヘレンちゃんのおててに!!!こんな傷を!!!貴様ヘレンちゃんを殺そうとしたじゃろ!!」
よくよく見ると、肩より少し下のとこから手首まで右腕が深く切れている。
どくどくと鮮血が大量に出て止まらない。
自分の腕が切れているという事実を自覚すればするほど、右腕が疼く。
「店長!!何か長い布持ってる!?止血するわ!!」
「おう!!これを使いなさい!!」
あー、なんか色々やってくれてる。
ありがたいなぁ。
…痛い。痛い、痛い、痛い、痛い、
痛い痛い痛い痛い!!!!
床拭かないと。血痕付いちゃう。
あ、ヤバイ倒れる。貧血かも
私の脳内
なんか
こんがらがってる
私はここから飛んだ。
意識をふっ飛ばした。
オマケにバイトと今日の分の給料もふっ飛ばした。
もったいないな。
働かないと。父さんを治せない。
働かないと、働かないと、働かないと
気が付く頃には、柔らかくはない自宅のベッドの上だった。
「…ん…」
「起きたか!!ヘレン!!」
朝の疲れきってやつれた顔とは少し違う、焦りと喜びと怒り…が入り混じったような複雑な顔の父さんが私の顔を覗き込む。
「んー……あー……?」
「ヘレン、お前ローラちゃんに運んできてもらったんだ。
…どうやらバイト先の副店長にやられたそうだな」
私はここで思い出した。
バイトと金をふっ飛ばしたことを。
「っあっ!!!バイト!!!」
私がベッドから飛び起きる。
「バカもんッッッッ!!!!」
コンマ1秒後、私の頬に重い拳が飛んできた。
「っっい゙っづ!!!!!?」
明らかに女のモノではない声が出た。
「そろそろその思考を捨てんかいバカ娘ぇっっ!!!!!」
頭の中が真っ白になる感覚を抑え、その言葉を聞く。
「思考を捨てるも何も、父さん自分が置かれてる状況分かってる!?!?!?不治の病に合わせて、生活費も食費も足りないのよ!?!?!?」
「えぇい黙れぇ!!!!」
二発目。
「だっ─」
「だってもクソもねぇ!!!!」
三発目。
「うるっさいわねさっきから痛いのよぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!」
それから無傷の左腕で反撃。
「へっ、ノッたな我が娘よ!!!」
父さんからの4発目。
「だーかーらー痛いっつーーーのーーーー!!!!!!」
反撃二発目。
それからというもの、日が暮れるまで父さんと殴り合いの喧嘩をした。
「ハァ、──ハァ──……」
「や、やるな…我が、娘……よ……」
「父さん、のが、やる…わよ……」
…なんともアホな話だが、このまま二人で倒れた。寝た。寝まくった。(私の場合2度目)
ある意味喧嘩楽しかった。
第五話へ続く
あとがき
半年。春乃と幻想郷同様次回更新まで半年かかりました。すみません
今回色々展開鬼早でしたよね。
人によってはこのくらいの進行度がよろしい人も居るかもですが…。
と言いますけど、そもそもこの物語展開鬼遅ですよね。はい
いつまでもぐだちゃん出来ないので展開スピード(?)早めました。
まぁ、半年も空きましたし文章力も上がっているかなと。
自分のレベルと時間と向き合いながら色々調整しますね。
2200文字も超えましたし、今日はこのあたりで。
次回のあとがきでお会いしましょう。
【本日のキーワード】
ノー人間、イエスゴリラ
2023/09/28 18:38:48投稿
コメント
13件
すまん お久しぶり !!!!!!!!!!( この作品 好きです (((
怪我シーンの描写ふつくしいわね……(誰目線) 文章力ぐーーんと上がっておられるのではなくて!!?? やだ…あなた天才……… そして不覚にも脂ギッシュゴリラにお茶吹いたどうしてくれる()
ゴリラに制裁をー!