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今回は、めちゃくちゃながいよ!
倉庫の扉が大きな音を立てて開いた。
冷たい夜の空気が流れ込む。
そこに立っていたのは――
なつ。
そして、その後ろにらん。
ゆうの目が大きく揺れる。
「……なんで」
小さく呟く。
なつはゆっくり中に入る。
「迎えに来た」
それだけ言う。
男が舌打ちする。
「は?」
腕を組む。
「誰だよお前ら」
らんが笑う。
でも目は笑っていない。
「家族」
短く言う。
男は鼻で笑う。
「くだらねぇ」
そしてゆうの肩を乱暴に掴む。
「こいつはな」
低い声。
「ここにいる人間なんだよ」
その瞬間。
ドンッ
なつの拳が机を叩く。
空気が震える。
「違う」
低い声。
怒りを抑えている声。
「そいつは帰る」
ゆうの目が揺れる。
男は笑う。
「帰る?」
一歩近づく。
「どこに」
なつは迷わない。
「家だ」
その言葉。
ゆうの胸が強く痛む。
男はため息をつく。
「面倒くせぇな」
そして後ろにいる男たちを見る。
「追い出せ」
その瞬間。
空気が張り詰める。
らんが肩を回す。
「やるしかねぇか」
なつが一歩前に出る。
静かな声。
「ゆう」
ゆうが顔を上げる。
「目閉じとけ」
その次の瞬間。
ドンッ!!
音。
衝突。
倉庫の中で乱れる足音。
男たちが飛びかかる。
らんが一人を押し返す。
「人数多いな!」
なつは一人を殴り飛ばす。
「黙ってろ」
ゆうはその光景を見ている。
信じられない。
自分のために。
こんな。
胸が苦しい。
その時。
なつが叫ぶ。
「ゆう!」
ゆうが顔を上げる。
「立て!」
短い言葉。
ゆうの足が震える。
でも。
立つ。
その瞬間。
倉庫の外。
シェアハウス。
リビング。
いるまは窓の外を見ていた。
落ち着かない。
胸がざわざわする。
こさめが隣に来る。
「まだ帰ってこないね」
小さな声。
いるまは頷く。
「うん」
沈黙。
こさめが少しだけ言う。
「いるま」
「ん?」
「大丈夫?」
いるまは少し笑う。
弱い笑い。
「……分かんない」
正直な言葉。
こさめが手を握る。
「帰ってくるよ」
その声は優しい。
いるまはその手を見る。
温かい。
少しだけ呼吸が楽になる。
「こさめ」
名前を呼ぶ。
こさめが顔を上げる。
いるまは言う。
「もしさ」
少し迷う。
でも続ける。
「もし誰かがまた壊れそうになったら」
こさめは黙って聞く。
「今度は」
小さく言う。
「みんなで助けよう」
こさめの目が少し潤む。
「うん」
強く頷く。
「絶対」
そしてその時。
玄関の外。
車の音。
キィッ
止まる。
いるまとこさめが同時に顔を上げる。
足音。
玄関のドアが開く。
そこに立っていたのは――
なつ。
らん。
そして。
ゆう。
少しボロボロ。
でも。
ちゃんと立っていた。
こさめが小さく息を呑む。
いるまがゆっくり近づく。
ゆうと目が合う。
ゆうが小さく言う。
「……帰ってきた」
いるまは少し笑う。
「うん」
静かな声。
「おかえり」
その言葉に。
ゆうの目が、少しだけ潤んだ。
そして。
こさめが、そっと言う。
「ごはん、まだあるよ」
その一言で。
シェアハウスの空気が少しだけ戻った。
ここは。
壊れた人たちが、
もう一度立ち上がる場所。
そして。
本当の中心にいるのは――
いるまと、こさめ。
二人の物語は、
まだ続いていく。
ゆうが戻ってきてから、数日。
シェアハウスは少しだけ落ち着きを取り戻していた。
リビングでは、らんがソファに寝転がっている。
「腹減ったー」
すちがキッチンから言う。
「さっき食べたでしょ」
みことは笑っている。
ゆうは少し離れた場所で座っていた。
まだ完全には馴染めていない。
でも――
ここにいる。
それだけで少し違う。
その時。
玄関の外で、ガタンッと音がした。
宅配の荷物が置かれた音。
小さな音。
でも。
いるまの体が、びくっと震えた。
呼吸が止まる。
耳の奥で、別の音が重なる。
ドンッ
ドアを叩く音。
怒鳴り声。
「開けろ」
低い声。
昔の記憶。
いるまの手が震え出す。
視界がぼやける。
「……いるま?」
こさめが気づく。
いるまの呼吸が浅い。
胸が上下する。
「……っ」
声が出ない。
過去の音が重なる。
ドアが壊れそうな音。
足音。
怒鳴り声。
体が勝手に後ろへ下がる。
壁にぶつかる。
「いるま!」
こさめが立ち上がる。
いるまの膝が崩れる。
床に座り込む。
震えが止まらない。
ゆうがその様子を見て固まる。
知っている。
この反応。
過去のフラッシュバック。
こさめがしゃがみ込む。
「大丈夫、大丈夫」
背中に手を置く。
でも、いるまの呼吸は荒いまま。
「……こわい」
小さな声。
こさめの胸がぎゅっと痛む。
「大丈夫」
もう一度言う。
「ここ、あの家じゃない」
静かに。
ゆっくり。
「ここはシェアハウス」
いるまの肩が震える。
こさめがそっと抱きしめる。
「大丈夫」
何度も繰り返す。
その様子を見て、らんが静かに立つ。
すちに小さく言う。
「宅配だろ」
すちは頷く。
「俺が取ってくる」
玄関へ向かう。
余計な音を出さないように。
リビングでは、こさめがずっと背中をさすっている。
ゆうは少し離れた場所で見ている。
胸が苦しい。
自分も知っている。
壊れそうな瞬間。
でも。
こさめは離れない。
ずっと隣にいる。
しばらくして。
いるまの呼吸が少し落ち着く。
こさめが小さく言う。
「いるま」
いるまが少し顔を上げる。
目が赤い。
こさめは優しく笑う。
「ここにいるよ」
その一言で。
いるまの目から涙がこぼれた。
静かな涙。
こさめは何も言わない。
ただ、隣にいる。
それだけでいい。
そして。
それを見ていたゆうが、ぽつりと言った。
「……強いな」
こさめが振り向く。
ゆうは少しだけ笑う。
「俺だったら逃げてる」
こさめは首を振る。
「強くないよ」
小さく言う。
「ただ」
いるまを見る。
「放っておけないだけ」
ゆうは少し黙る。
そして小さく言う。
「……いい家だな」
その言葉。
リビングの空気が少しだけ温かくなった。
でも。
このあと。
こさめの心が、
少しずつ限界に近づいていく。
夜。
シェアハウスは静かだった。
みんなそれぞれの部屋に戻っている。
リビングの明かりだけが、ぽつんとついていた。
ソファに、こさめが座っている。
ぼーっとした顔。
手にはマグカップ。
でも、中身はもう冷えていた。
今日のことを思い出す。
いるまが震えていた姿。
泣きそうな声。
「こわい」
その言葉。
胸の奥がぎゅっとなる。
守りたい。
助けたい。
でも。
(……俺でいいのかな)
ぽつりと心の中でつぶやく。
その時。
リビングのドアが開く。
「……こさめ?」
いるまだった。
パーカー姿で、少し眠そう。
こさめはびくっとする。
「あ、いるま」
無理やり笑う。
「どうしたの?」
いるまは少し迷ってから言う。
「水…」
キッチンへ行く。
コップに水を入れる。
でも。
途中で、こさめを見る。
さっきから。
ずっと元気がない。
いるまはコップを持ったまま、こさめの前に来る。
「……大丈夫?」
こさめが目をそらす。
「え?」
「今日」
いるまが言う。
「俺のせいで」
その言葉。
こさめの肩が小さく震える。
「違う」
すぐに言う。
でも。
声が少しだけ弱い。
いるまは気づく。
「こさめ」
名前を呼ぶ。
こさめは笑おうとする。
「ほんとだよ!」
でも。
次の瞬間。
ぽろっ
涙が落ちた。
こさめ自身が一番びっくりする。
「え……」
急いで拭く。
「ご、ごめん」
笑おうとする。
でも。
涙が止まらない。
「ちが…」
声が震える。
「俺」
こさめが言う。
「助けたいのに」
また涙。
「ちゃんと守れてるのかなって」
ぽろぽろ落ちる。
「もしまた…」
言葉が詰まる。
「怖い思いしたら」
こさめは俯く。
「どうしたらいいかわかんなくて」
静かなリビング。
いるまは、少し驚いた顔をしていた。
でも。
ゆっくり近づく。
そして。
こさめの前にしゃがむ。
「こさめ」
名前を呼ぶ。
こさめは涙目で顔を上げる。
その瞬間。
ぎゅっ
いるまが抱きしめた。
こさめの目が大きくなる。
「……え」
いるまは小さく言う。
「守られてるよ」
静かな声。
「今日も」
「前も」
「ずっと」
こさめの涙が止まらない。
いるまは続ける。
「俺」
少しだけ笑う。
「こさめがいなかったら」
「ここにいない」
その言葉。
こさめの胸がぎゅっとなる。
しばらく二人はそのままだった。
静かな夜。
でも。
少しだけ温かい時間。
そして。
ドアの向こう。
廊下で。
らんが小さくつぶやく。
「……青春かよ」
その横で、なつが腕を組む。
「邪魔すんなよ」
二人は静かに去っていった。
リビングでは。
こさめが小さく言った。
「……ありがと」
いるまは少し照れながら答える。
「どういたしまして」
でも。
このあと。
ゆうの過去が、
シェアハウス全体を巻き込むことになる。
夜のシェアハウス。
リビングでは、みこととすちがゲームをしている。
「うわ、また負けた!」
「弱すぎでしょ」
らんはソファでスマホを見ている。
なつはキッチンでコーヒーを入れていた。
ゆうは窓の外をぼんやり見ている。
平和な夜。
そのとき。
玄関の外で、車のドアが閉まる音。
ガチャ。
玄関が開いた。
全員の視線が向く。
ドアの前に立っていたのは――
知らない男たち。
3人。
空気が一瞬で変わる。
らんが立ち上がる。
「誰だよ」
男の一人が笑う。
「久しぶりだな」
視線は、なつへ。
なつの表情が固まる。
「……お前ら」
男は肩をすくめる。
「覚えててくれて嬉しいぜ」
ゆうの背中に嫌な汗が流れる。
その男は言う。
「俺らの仲間、潰してくれたよな?」
静かな声。
「そのお礼に来た」
次の瞬間。
男の一人がナイフを取り出す。
空気が張り詰める。
すちが一歩前に出る。
「ここで暴れる気?」
男は笑う。
「いや」
そして突然。
なつの腕を掴んだ。
ガッ
「なつ!」
らんが叫ぶ。
でももう一人の男が道を塞ぐ。
「動くな」
冷たい声。
男はゆうを見る。
「お前だ」
ゆうの心臓が強く鳴る。
「来い」
短い言葉。
「来なきゃ、こいつ連れてく」
なつが睨む。
「ふざけんな」
男はナイフを少し近づける。
「黙れ」
リビングの空気が凍る。
ゆうの足が動かない。
過去の記憶がよみがえる。
助けられなかった夜。
動けなかった自分。
「……っ」
呼吸が浅くなる。
男が笑う。
「ほら」
「どうする?」
沈黙。
そのとき。
ぎゅっ
手が握られる。
ゆうが見る。
こさめだった。
震えている。
でも、言う。
「ゆう」
小さな声。
「大丈夫」
いるまもゆうを見る。
真剣な目。
「選べ」
短い言葉。
「逃げるか」
「助けるか」
ゆうの胸が痛む。
男が舌打ちする。
「遅い」
そして。
なつを引きずる。
「待て!」
らんが叫ぶ。
でも男たちはもう外へ。
車のドアが開く。
ゆうの頭の中が真っ白になる。
また。
また助けられないのか。
その瞬間。
ゆうが叫んだ。
「待て!」
全員がゆうを見る。
ゆうの目は震えている。
でも。
一歩前に出る。
「俺が行く」
男が笑う。
「最初からそう言え」
でも。
なつが怒鳴る。
「来るな!」
ゆうが見る。
なつの顔。
怒りと焦り。
でも。
ゆうは言う。
「今度は」
声が震える。
「逃げない」
静かな夜。
そして。
車のドアが閉まる。
連れていかれたのは――
なつ。
残されたシェアハウス。
重い沈黙。
その中で。
こさめが小さく言う。
「助けに行こう」
いるまが頷く。
「絶対」
そして物語は。
ゆうの過去と
なつの崩れ始める心へ向かっていく。
…はい!
ごめんなさい…さらわれたりいろいろあって…
ないようもそんなで…ほんとうにごめんなさい…では、、
コメント
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💥🔫( 💢) 〈もう黙っていられないぜっ!