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「キュバス。ポーン砦からの画像は?。あの男はまだ見つからんのか?」
「…オート・ドローンが探索中です。ですが目標の発見には至っていません。尚、天災は依然としてネオ・クイーンに向けて進行中。移動速度もそのままです。ところでムラサキ様、天災の進路上にあるポーン砦の住民たちは如何なさいます?。…退避命令は…まだよろしいのでしょうか?」
「…映像が出せるのならメインモニターに出してくれ。…天災があの砦に辿り着くまで150キロはある筈だ。奴の進行速度に変化が無いのなら、退避は明日の朝でも充分間に合う。できるだけ混乱は避けたいからな?」
レオ・ヤツカドを天災の討伐に赴かせて三日目。どうゆう訳か、奴は完全に姿を消している。初日の攻撃回数は18回。どれも魔力の放出量が桁違いだった。そして観測上の数値では、あのどデカいスライムの体積も確実に削られていたとゆうのに。いったい平原のどこに姿を隠したのだ?。
「わかりました。…モニター出ます。……ギルド・マスターのおっしゃる通り、まだ距離はあるようですね。あら?…手持ち無沙汰なのですか?フルーツでもお持ちいたしましょう。それともお飲み物に致しましょうか?」
「はぁ。…実際のところ、ご禁制の水パイプでも燻らせたい気分だよ。そうだな…ブランデーたっぷりのダージリンにしてくれ。砂糖も多めだ。それとフルーツも頼む。(…小腹が空いたせいで少々苛々しているしな…)」
「うふふっ。わかりました。糖分は脳にも精神の安らぎにも効果がありますからね。……それでは暫くお待ち下さい。両方をご用意いたします。」
「ああ、とびっきり甘いのを頼んだ。できれば紅マスカットが欲しい…」
私は面談時に使用するマスタールームで、天井から下がっている大型モニターに目をやる。監視用のオート・ドローンは三つ。手元のリモコンで画面を幾つか変えながら、あの男が写り込まないかと目を凝らしていた。
当初の予定ならば、明日の朝までに天災の進路を変更させるはずだったのだが、ヤツカドが依頼を放棄したのであれば予定を変更せざる負えないだろう。仕方ない、私が出るか。…何はともあれあの男の処分は後回しだ。
「ん?。……画面が。え?ドローンからの信号が止まったのか?。……なんだ?…何が起こっている。このタイミングでオート・ドローンが故障するなどありえん。…周りには何の変化もなかったぞ?。…ん?。うわっ!?」
「…え!?あっ!?。きゃ!きゃぁああっ!?。ビルが揺れてるっ!?。ムラサキ様!大丈夫ですかっ!?。ああっ!せっかくのマスカットが!」
「くっ!?伏せていろキュバスっ!。下手に立つと怪我をするぞっ!」
空中に浮遊していたオート・ドローンからの映像が突然に固まった。旧時代の設計ではあっても滅多な事では故障しないのに。と、思っていたところで足下が震えだした。初めは小さな振動だったのに、それは徐々に大きくなると爆発的に部屋を揺らす。私は椅子ごと窓の縁に叩きつけられた。
「…くっ!?。…あら?。揺れが……収まりましたね?。……はぁ驚いた…」
「ああ。このギルド・ビルが揺れるなんて初めてのことだ。もしかしたらクイーンの街全体が揺れたのかも知れん。…被害がなければ良いのだが。」
私もギルマスとして随分と長く務めているのだが、比類なく頑丈なはずのギルド・ビルがこんなにも揺れるなど初めての経験だ。まさか大地が震えるなど想像すらしない。古い伝説では地脈とゆう物が地下深くに存在し、そこには途轍もなく巨大な蛇が住むとゆう。地龍と呼ぶのだが未確認だ。
「!!?。ムラサキさまっ!モニターを見て下さい!。…なんてこと…」
「もしかしたら…このときの爆発の衝撃が…遅れてこの街まで伝ってきたのかも知れないな。伝説では…大地とは1枚の岩板だとも言うしな…」
磨かれた床に女の子座りしているキュバスが、天井から下がる黒い板を指差して猫目を大きくしていた。ノイズが走りながらも復活した映像には、濛々とした土埃と丸く抉られた山岳の裾野が映っていた。そこは幾つもの稲光が駆け巡りながら消えてゆく。そして画面の真ん中に捉えられていた巨大スライムは影も形も無くなっている。未確認だが…消滅したらしい。
「…しかし、あれを見てみろキュバス。剛鉄鉱の成分が多く発掘の難しかった鉱源がああも抉れてしまうとは。そうだ。直ぐに現地に観測隊と採掘部隊をまわせ!。もしかしたらタナボタどころではないかも知れんぞ?」
「は。はい。それでは近隣のポーン砦と、少し離れていますがナイト砦からも向かう様に指示を出します。あの…天災は…消失したのでしょうか?」
「…ああ。信じられんし信じたくもないが…あの切り取られた様な山裾を見れば…消失したと言っていいだろう。……他のドローンにも…天災の姿は映らないしな?。(…しかし驚いたな。こんな芸当をやって退けるとは…)」
それは予想外の出来事だった。こんな結果など絶対に有り得ないとさえ考えていたのに。たかが転生者ごときに、たかが人間ごときに、あの天災が葬られるなど本来ならばあってはならないことだ。私はヤツがA級ハンターに相応しいかを見定めるつもりで依頼した。一時的に姿を見失って安堵したほどだ。純血種の、黒髪のオスなどに、Aの称号など渡したくない。
しかしアイツの婚約者たちと話してみて、少しばかり考えが変わったのも事実だ。ヤツカドとゆう人間の牡は女を虐げないと皆が口を揃える。俄には信じられなかったが、彼女たちがあの男の名を口にする度に笑顔になるのが不思議で、どこか幸福そうにヤツとの日常を語る姿が印象的だった。
「……ムラサキ様。…ここに人影があります。…ん?…2名のようですね。」
「……これ以上の拡大は…できないか。…この服…黒魔女か?。……そうか、なるほどなぁ。……キュバス、Sランクの二人を呼び出せ。レオ・八門を捕らえる。…そして黒魔女サクラ・ヴァイオレットもだ。…急げよ?」
「………畏まりました。…それでは招集の為…ギルドのホールに戻ります。」
「ああ。頼む。そして…ご苦労だった。(…この二人が接触している事は知っていたが…まさか手を組んでいたとはな。もはや野放しにはできん…)」
ぽっと出のあの小僧に、なにゆえあの大魔法使いが手を貸したのかは解らないが、私が察するに八門から何らかの甘言で唆されたのだろう。でなければ山肌をえぐり取るほどの出力を、強大が過ぎる魔力を放てる理由がない。人間の肉体は酷く脆弱なのだ。自らの魔力をも支えられないほどに。
ならば考えられる手段はひとつしか無い。奴は己の魔術の媒体に黒魔女を利用したのだ!。黒魔女サクラ・ヴァイオレットに有効性の高い魔法を構築させ、その魔核に自分の魔力を注ぎ込むことで魔法出力を最大にまで増幅させたと考えられる。サクラ・ヴァイオレットの魔力耐性は国の賢者以上だ。その特性を騙して利用したに決まっている!ヤツカドの下衆めっ!
「は〜い♡良くできました♪。…あららぁ。…大丈夫?レオちゃん。」
「…はぁ…はぁ…。なんとか…ね?。…やべ、また内出血起こしてる…」
「ん。見せて?。ティア・ヒール。あらまぁ。筋肉まで裂けちゃって♡」
「ん〜。まだまだだなぁ。けっこう痛いし。…おおお?…もう治った。」
結局のところ…全力で放った轟雷は俺がイメージしていた術式とはぜんぜん違った。結果的には天災と呼ばれる超巨大スライムを滅殺することには成功している。あのグロかった核も塵になったのだが…問題はその攻撃範囲だ。奴が全長約700メートルだったのに対し、落とされた雷の柱はその三倍はゆうにあった。つまり推定直系が2000メートルの雷撃とゆう事になる。もし背後から抱きしめていたサクラさんが結界を張ってくれなかったなら…俺も天災みたく蒸発していたのかも知れない。危なかった。
「レオちゃんも治癒魔法を覚えないとよねぇ♪。…はい。…まだ痛む?」
「いいや。ありがとうサクラさん。……さぁて、急いで街に帰ろうか。」
「それじゃ〜あ♡わたしの部屋に入るぅ?。それともぉ私に入るのぉ?」
「い〜や。今回はどちらにも入らないよーだ。……アイツで帰るさ。」
サクラさんのちょっとエロいことば遊びに付き合いつつ、俺は少し遠い場所にある銀色な塊を指差した。土埃は浴びていてもどうやら無傷らしい。ギルマスのリン・ムラサキに、無理を言って借りているからにはきっちりと返さないとだ。あとは使わなかった法衣や魔道具なども返却しないと。
「えー?フロッグでー?。ふぅん…随分とのんびりさんなのねぇ。」
「……俺の右の背後を見てみ?。…なんか小さな点が浮いてるだろう?」
「ん〜?。………あ。オート・ドローン?。…ギルマス…監視してるんだ。」
「ああ。だからフロッグで帰るんだよ。…ちゃんと返さなきゃだしな?」
俺もついさっき気がついた飛翔物体。小さな風斬り音がするなぁとか思っていたら案の定だ。こんなに重要な依頼をしておいて、あの成果に拘るギルマスが野放しにするわけが無い。まぁ当然とも言える管理体制だろう。
「む〜。あの女、相変わらず疑り深いわねぇ。じゃあ〜わたしが前ね?」
「お?操縦できるの?。流石はサクラさんだね。たのむよ。」
「え〜?操縦するのはレオちゃんよ?。わたしはレオちゃんの方を向いて抱きつくの♪。そしたら愛しあいながら帰れるでしょう?。うふふっ♡」
俺はサクラさんの言葉を丸呑みに、その状況を想像してしまった。その途端に頭から血の気が引いてゆく。ただでさえ情熱的な彼女と…高速走行中のフロッグの上でそんな事をするとなれば…命がけになるんじゃないか?
「つまり…挿入したまま操縦しろ…と?。(なっ?なんて破廉恥な!?)」
「うん♡。オート・パイロットを使えば〜夢中になって二人で腰を振りあっても落ちることないし〜♪。低い高度で走っている緊張感と〜わたしと深く繋がっている快感の狭間で〜新しい扉が開くかもよぉ?どうかな♡」
「いやいや、今回は却下で。だってあのドローン。ずっとついてくるはずだからさ?。ギルマスに見せつける気?。(な!なんてエロい事を!?。でもなぁ、サクラさんが喜ぶのなら…やってみてもいい気がするなぁ…)」
なんとなくモヤモヤした気分で俺はフロッグに跨った。サクラさんの指示どおり、グリップ横の青いボタンを押すと液晶モニターが反応する。カラーな明るいそのパネルには目的地と速度の設定画面が出た。スマホ同様のタッチパネル。イエスかノーかの枠に触れて…ピッピッと設定してゆく。
「こんな便利な機能があるなんて知らなかったよ。…目的地はクイーンの東門で…速度は。ん?なに?サクラさん。…あ…ら?。そこにも街が?」
「うん。ここは鉱物資源の採掘や加工や供給を生業とするナイト級の城砦なの。中規模な砦だけど天然の温泉とかもあって賑やかよぉ?。お仕事は終わらせたんだからぁ♡少しくらい寄り道してもいいでしょう?。ね?」
「そうだなぁ。ん〜。(監視下での寄り道かぁ。通常なら無しだけど…)」
操縦席を跨ぐ俺の前に座り、その弾力に富んだお尻を俺の股間に押し付けながらパネルを操作している大魔法使いなサクラさん。バイクみたいな燃料タンクが付いていないだけあって、こうして乗せられないこともない。それに彼女が来てくれなければ、身を捧げてくれなければ、魔力とは何かを改めて説いてくれなければ、俺は未だ天災に苦戦していたことだろう。
今も露骨に頭上を飛び交う監視ドローン。なんとなく忌々しさが湧き上がってくる。今どきギルドの最上階でギルマスは歓喜していることだろう。俺を煽てて褒美をチラつかせ、最小限の努力で最大限の成果をリン・ムラサキは獲得したのだ。そして国からの彼女への評価や評判はうなぎ登る。
「ねぇ、レオちゃん良いでしょお?。温泉だから混浴できるしぃ♡」
「混浴ならさっきもしたけど。…わかったよ。寄り道して帰ろうか。」
「やったぁ♪。じゃあ、オートパイロット、スタート♪。うふふふっ♡」
「え?。あ。…なんでコッチを向くのかなぁ?サクラさんは。(なんて身体の柔らかさだよ!?。いや、この場合は股関節か。…まさか本気で…)」
滑空するように走り始めた銀色のフロッグ。前に座っていたサクラさんが真っ白な生足を大きく上げて、その場でクルンと後ろを向いた。艶めかしい微笑みを浮かべて俺の腰を跨いでくる。首に回された彼女の細い腕が引き付けた。しかしその反対の手は俺のベルトを解いている。やがて伝わる熱い粘液の生なヌルヌル感。サクラさんは腰を浮かせて俺を包みこんだ。
なんて開放感と背徳感と快感なのだろう。俺の下腹に恥骨を押し付けたまま、がくがくとお尻を震わせる赤髪の美女が可愛くて仕方がない。オートパイロットのお陰でハンドルさえ握る必要がないのだ。こうなったら…
俺は身を起こして彼女のクビレを引き寄せる。それと同時に腰を突き出した。ぐにっと強く圧し上げる感覚が良い。不意に深く突き入れられた衝撃に、サクラさんは堪らず大きく仰け反った。シルクの黒いローブの上からでも解るほどに彼女の美乳が跳ねる。その先端は可愛く固く尖っていた。