※本作品はジェンダーレスをガン無視しております(この界隈の素晴らしき作品たちは全てそうかもしれませんが、一応です一応)。
あらかじめご了承くださいませ。
始まりはフェシリアーノの素朴な発言であった。
「菊ってさ、女の子だから────」
「は?」
「ヴェ?」
「い、いやいやいや……」
「菊は男だろう……?」
「え!?菊って男だったの!?」
「おいおいマジー?」
「知らなかったのかよ……」
「じゃあなんでみんな菊が男だって分かるの?」
「「「「「「「………………」」」」」」」
「今から世界会議を始めるぞー!内容は〝菊は本当は女ではないのか〟だー!
書記はー………」
「はいはーい!俺やるー!」
フェシリアーノが元気よく手を挙げた。
「お、珍しいじゃないかー!OK!よろしく頼むんだぞー!」
「何故こんなことに巻き込まれているんだ………」
ルートヴィッヒが頭を抱えながら嘆いたが、そのまま会議は始まった。
「まずは俺から!
菊は髪がツヤツヤで黒くてvery cuteなんだぞー!」
「〝つやつやでめっちゃかわいい〟っと……」
アルフレッドの発言をフェシリアーノなりに要約して黒板に書いていく。
「次はルートヴィッヒ!」
「あ、あぁ……………そうだな……
……静かでおしとやかなところか、?」
「〝silenzioso e grazioso(静かでおしとやか)〟っと……」
「王耀はどうだい?」
「何と言っても頬がぷにぷにしててかわいいあるよ〜!いつまで経っても変わらないある〜!!」
「〝Sembra un mochi giapponese(日本のおもちみたい)〟………」
「もう待ち切れないよ〜!僕も言う♡
僕はー、間違えて踏み潰しちゃいそうなくらいちっちゃいところかなぁ〜♡」
「〝schiacciare(踏み潰す)〟っと……」
「お兄さんは菊の静かそうで意外と危うい感じ大好き♡」
「〝Sexy〟っと………」
「フッフッフ………………お前ら甘いな………………………菊の女っぽいところなんて沢山あるじゃねえか!
俺は今にも誘ってきそうな体つきでー、口も首もちく────」
「皆さんいらしていたのですか…?」
「「「「「「「菊!!!」」」」」」」
会議に参加していた全員が振り向いたところ、すなわち会議室の入り口に立っていた菊を目にして叫んだ。
「え、っと、その…………」
戸惑っている当の菊の視線の先には、〝菊は本当は女だ!!!〟と、でかでかと書かれた結論と、〝つやつやでめっちゃかわいい〟〝静かでおしとやか〟〝日本のおもちみたい〟〝踏み潰す〟〝Sexy〟〝襲いたくな(途中だったためそのまま)〟と書かれた黒板があった。
「…これはどういう────」
「菊ってかわいすぎるから本当に男なのかなーって話!」
「はい……!?!?日頃から日本男児って言ってますよね……!?!?!? それとも……あ…ああああそこ見たいんですか…!?!?!?」
テンパりすぎて平常心を保てない菊が珍しく謎発言をした。
それに対して、
「「「「「「「……………」」」」」」」
という全員の沈黙のあと、急にほぼ同時に鼻血を出し始めた。
「み、見たい…………♡」
「見せてよ菊………♡」
「俺たちの仲だろ?♡」
「こんなはずではなかったのですが……!?」
菊は逃亡。残りは獲物を狩るような目つきで追いかけている。
今日も世界は平和である。