テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
りんご
一香さんと儀堂さんが席についたのを、ひと目で確認して、
静かに踵を返し、
…私と冬橋は横に並んで特別個室の廊下の壁側に、静かに佇んだ。
ーーそして、少しした他愛のない会話を終えた後。
長いテーブルの向かい側に広がる大きな鉄板で、合六さんが調理をする中
一香さんの声が室内に響く。
幸後「4月7日、イーネクスト銀行の二つの口座から合わせて…」
「1,490万が引き出されていました。」
合六「うちの商売の難しいところだ。」
合六さんは作業の手を止めぬまま、ゆっくりと言葉を紡ぎはじめた。
合六「当局の目を誤魔化すために複数の法人口座を資金移動させる。そうすると、
こっちも資金の流れが分かりづらくなってくる。」
「多少の金を出しても誰も気付かない…いやいや、うちの経理担当の目は誤魔化せない」
―― 会社の資金に無断で手をつける行為。
それは明らかな横領であり…
″裏切り者,,と見做す不当行為。
合六さんの手料理がテーブルに並ぶと、一人を除いた
幹部達は、なにごともないように淡々と料理を口に運んでいた。
合六「…安藤。」
「美味いもん食って幸せな気分で終わった方がいいだろ?」
安藤「違います!私は組織のお金なんかっ…」
安藤さんが言い訳を言い終える前に、
黒の手袋を嵌めた冬橋が、 持っていた棒を後頭部に強く振り下ろし、
安藤さんが机に倒れ込み、動かなくなったところで…
同じように黒手袋を嵌めた私が椅子から蹴り落とす。
霧矢が安藤さんの両腕を引っ張り、近くの個室・仕置き室へと運び込めば、
私と冬橋は大きな音を立てて処理をする。
…これが、
裏社会での…私たちの仕事だ。