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#リゼロ
すず
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第29話『本能の矛』
「全軍続けェェェ!!」
麃公が先頭を駆ける。
その後ろには麃公軍精鋭。
趙軍の陣形など関係ない。
目指す先はただ一つ。
李牧本陣。
「止めろォ!!」
趙軍が次々と立ちはだかる。
しかし麃公軍は止まらない。
「邪魔だァァ!!」
矛が唸る。
馬が駆ける。
兵士が吹き飛ぶ。
まるで巨大な槍そのものだった。
李牧本陣。
副官たちは緊張していた。
「距離五百!」
「距離三百!」
「距離二百!」
李牧は静かに馬へ乗る。
「予定通りです。」
副官が驚く。
「予定通り?」
李牧は小さく頷いた。
「麃公は必ずここへ来る。」
それも計算の内だった。
すると本陣左右の森から無数の旗が現れる。
趙軍伏兵。
数千。
いや、一万以上。
「なっ!?」
麃公軍の兵たちが驚く。
包囲網だった。
麃公は笑った。
「ガハハハハ!」
「やっぱりいるじゃねぇか!」
むしろ嬉しそうだった。
その頃。
虹桃軍団本隊。
シヴァが丘の上から戦場を見ていた。
そして顔色を変える。
「まずい。」
「李牧の罠だ。」
じゃぱぱも気付いた。
麃公が誘い込まれている。
のあが地図を見る。
「このままだと包囲される。」
「救援が必要。」
しかし距離がある。
その時。
後ろから笑い声が聞こえた。
「なら俺が行く。」
振り向く。
そこにいたのは――
桓騎。
桓騎は戦場を眺める。
「李牧は賢い。」
「だから面白い。」
摩論が尋ねる。
「どうするんです?」
桓騎はニヤリと笑う。
「簡単だ。」
「李牧が一番嫌がることをする。」
その直後。
黒桜隊。
雷土隊。
ゼノウ一家。
桓騎軍の幹部たちが動き始める。
一方。
麃公軍はついに李牧本陣目前へ迫った。
「李牧ォォォ!!」
麃公が矛を振り上げる。
しかしその前に現れた男がいた。
趙軍最強クラスの武将。
龐煖。
巨大な矛を持つ武神。
麃公の表情が変わる。
「……お前か。」
龐煖は静かに言う。
「道を求める者。」
「ここで終わる。」
周囲の空気が凍りつく。
李牧。
麃公。
そして龐煖。
原作でも伝説となった戦いが、ついに始まろうとしていた。
その遠く後方では――
虹桃軍団と桓騎軍が全速力で救援へ向かっていた…。
コメント
1件
うわあ、第29話、めっちゃ熱かった…! 麃公将軍のまっすぐな突撃、読んでるこっちまで息が止まるような迫力でした。そして李牧の策にはまった時の「むしろ嬉しそう」な笑い声、もう老兵の美学というか本能むき出しで痺れましたね。そこに龐煖が立ちはだかる構図、これは歴史好きとしては心が震える組み合わせです。虹桃たちの救援も間に合うのか、続きが気になりすぎます!