「せーんぱいっ」
『、、、』
「無視しないでよー」
『、、、』
「どこ行くんすか?」
『、、、はぁ』
あれから目黒くんは
休み時間に必ず私のところへ来るようになった
きっと
いつも一人でいる私が
可哀想だと思ってるんだろう
屋上へ来ると
私は黙ってお弁当を開く
目黒くんはそれを見てるだけ
それで何も食べずに帰る
食べたいんだろうな
だけど私はあげない
多分自分のプライドが高いからだ
それぐらい分かってる
けれど
お腹を空かせている彼を無視しているふりをして
罪悪感は感じる
だから今日は
『、、、食べる?』
言ってみた
そしたら目黒くん
目をキラキラにして
「いいんですか!?」
と言い
はいもいいえも聞かずに
食べ始めた
だが
『あ、』
「ん?」
『お、お箸、!』
間に合わなかった
最悪だ
後先考えずに発言した自分が
「え、どういうこと?」
なぜ気づかない
『だから、お箸、私の、』
「あ、」
今さら遅いわ!
こういうこと初めてなのに!
なんで相手が目黒くんなの、
「先輩怒ってます?」
『怒ってるよ』